中央区の通りを歩く 第23回中央通り(前編)


銀座の道しるべもモダンな雰囲気


銀座四丁目交差点。
中央通りは銀座の中心街を通ります

第23回では、中央区内を南北に貫くメインストリート、中央通りについて、通り沿いの銀座界隈と京橋界隈などをご紹介します。

中央通りは、東京都港区新橋から、中央区内は銀座や京橋、日本橋界隈を通り、以北は神田や秋葉原など都心の繁華街を抜け、台東区上野へと至ります。銀座を通る際は「銀座通り」や「銀座中央通り」とも呼ばれています。
前編の大半を占める銀座。その名称は、慶長17(1612)年に駿府(静岡)にあった銀座(銀貨鋳造所)が現在の銀座周辺に移設されたことから、そう呼ばれるようになりました。その後、銀座が大きな商業地として注目されるようになったのは明治時代から。幕末から明治にかけて幾度も大火があり、不燃建築化するために石造りの煉瓦街が建設され、その西洋風の街並みが「東京一ハイカラな街」と形容され、人々が集まるようになっていったそうです。時代を経た銀座は、いまや日本の繁華街の代名詞的存在。世界のトップブランドが数多く集まり、さらに賑わいを増しています。(銀座の詳細については江戸のまちづくり・銀座界隈をご覧ください)。



新橋の高架下には銀座の柳二世とその記念碑がありました
(柳三世については第20回隅田川テラス後編をご覧ください)

1 御門通りとの交差点

中央区内の中央通りのスタート地点は、港区東新橋一丁目との区界。新橋から高速道路の高架下をくぐると、新橋周辺の飲食店街の風景は一変し、高級ブティックや宝飾店などが並ぶ銀座の街並みが広がります。
また、交差点近くには案内板があり、江戸時代に芝口御門があったとの記述がありました。しかし、御門は享保9(1724)年に消失。現在はその名残を通りの名前にとどめています。


御門通りと中央通りの交差点


御門通り沿いにある芝口御門跡の案内板

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交差点から東銀座方面を臨む

2 交詢社通りとの交差点

交詢社通りと交差する周辺には高級ブティックや有名ブランドショップなどが建ち並び、取材時は開店前の時間だったため、ショーウィンドウのガラスをぴかぴかに磨く店員さんの姿が印象的でした。
ちなみに、周辺の銀座五丁目から八丁目の中央通りの車道は、低騒音で、かつ水を速やかに排除する特別な仕組みの舗装になっているそうで、多くの車と人が行き交う銀座ならではの安全配慮がなされています。



交差点から新橋方面を臨む


交差点の近くには、銀座の街に溶け込む
スタイリッシュな時計塔がありました

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「豊岩稲荷神社」の石柱とその脇から延びる路地

おもしろ発見 その1
【銀座の路地裏が語る歴史】

銀座七丁目裏の路地を歩いていると、石柱に赤い文字で「豊岩稲荷神社」と書いてあるのを見つけました。その脇から、ビルとビルの間に路地が続いています。いったいどこに神社があるのだろう、と細い路地を歩いていくと、突き当たりに小さな神社を発見しました。お稲荷さまが鎮座しています。
突き当たりを左に曲がり、さらに奥へ進むと、狭く暗い路地は、中央通りと平行して、花椿通りから交詢社通りまで結ぶように続いていることがわかりました。ビルの排気口がむき出しになっていたり、通用口があったりと、表通りの華やかなイメージからは想像もできない世界…。調べてみるとこの不思議な空間は、明治時代の煉瓦街建設のときにできた生活用道路の名残だそうで、今なお使われ続けているそうです。



中央通りと平行に暗い路地が細く長く続いています


ようやく出口に到達

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みゆき通り

おもしろ発見 その2
【街灯にとまる金の鳳凰の謎】

みゆき通りにさしかかると、ふと街灯が目に止まりました。他の通りには街灯に飾りなどは付いていないのですが、みゆき通りの街灯には、金色の羽を広げた鳳凰が乗っていました。設置されたきっかけを調べてみると、みゆき通りの名前の由来からその謎がひも解けました。
みゆき通りは、江戸時代に歴代の将軍が江戸城から浜御殿(現在の浜離宮)へ行く際に「御幸(みゆき)」の道として名付けられたもので、江戸時代は格式の高い道路として人々に認識されていたそうです。昭和12年に「みゆき通り」と命名された際に、この格式を示すため、街灯に金の鳳凰が飾りつけられたとのことでした。 今でもそのイメージがあるのか、現在のみゆき通りには、数多くの高級ブティックが立ち並んでいます。


金色の細かなあしらいが付いた街灯と鳳凰のオブジェ


高級ブティックが並ぶみゆき通り

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交差点から有楽町方面を臨む

3 銀座四丁目交差点

中央通りと晴海通りが交わる銀座四丁目交差点は全国的にも有名な場所。銀座の中心地であり、待ち合わせ場所のメッカです。昼夜問わず交通量が非常に多く、ひっきりなしに車が行き交います。横断歩道を渡る人々は、デパートやブランドショップなどの袋を抱えた老若男女の買い物客やサラリーマン、OLなどさまざま。以前に晴海通りを取材したときに、銀座四丁目交番の屋根上にいたカエルのマスコットとの再会を楽しみにしていたのですが、残念ながらその姿はいつの間にかなくなっていました(晴海通りの詳細は、第1回・晴海通り(前編)をご覧ください)。



交差点から新橋方面を臨む


交番の上のカエルがいなくなっていました

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新しい街灯は
西洋風の街灯と交互に並んでいます

おもしろ発見 その3
【銀座によく似合う街灯に思わず見とれて】

銀座界隈の中央通り沿いには、昔ながらの西洋風の街灯に混じって、シンプルで、それでいてスタイリッシュな真新しい街灯が並んでいます。思わず見とれて立ち止まってしまいました。
これは、2006年11月に中央通り照明デザイン国際競技実行委員会が主催した「銀座・京橋・日本橋/中央通りデザイン国際競技」で、最優秀作品に選ばれたもの。発光ダイオードを組み込みんだ柱そのものが光ることが特徴だそうです。
新しいデザインや文化を先取りする銀座にとてもよく似合っていて、今度はその輝く姿を見に、夜の銀座を歩いてみたくなりました。

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4 銀座ガス灯通り、銀座柳通りとの交差点

百貨店やデパートが並ぶ華やかな中央通りの裏には、平行して銀座ガス灯通りが走っています。同通りの入口にはガス灯がひっそりと立ち、通り沿いにはバーや飲食店など小さな店舗がひしめきあっていました。
さらに日本橋方面へ歩いていくと、柳が街路樹として植えられている銀座柳通りに出ました。銀座柳通りには東京メトロ・有楽町線の銀座一丁目駅があります。


銀座ガス灯通りのガス灯



柳が揺れる銀座柳通り

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5 京橋界隈

中央通りをさらに北へ進むと、銀座さくら通りとの交差点を過ぎ、首都高速道路の高架下を抜けて、京橋界隈へ入ります。銀座界隈の華やかさはここで影を潜め、オフィスビルが整然と並んでいます。街ごとに通り沿いの表情が異なり、中央区の通り散策の醍醐味を感じました(京橋の詳細については江戸のまちづくり・京橋界隈をご覧ください)。


銀座さくら通り。桜の季節が待ち遠しいかぎり



高架下は京橋があった場所

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中央通りの「はな街道」にはパンジーが植えられ、
道行く人々の目を楽しませていました。

6 鍛冶橋通りとの交差点

鍛冶橋通りと交わる交差点までくると、周辺は整然としたオフィス街。東京メトロ・銀座線の京橋駅もあり、交通の要所として人や車が絶えず往来していました(鍛冶橋通りの詳細は、第15回・鍛冶橋通り(前編)をご覧ください)。また、周辺では大規模な再開発に向けて、いくつかの建物で解体工事が進んでおり、通り沿いの街並みが徐々に変わりつつあります。


交差点から東京駅方面を臨む


交差点から日本橋方面を臨む

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