この付近の地名の由来である日本橋は、1603年(慶長8年)に江戸のまちづくりを始めた徳川家康により架橋されました(詳しくは第1話「日本橋・八重洲・京橋の誕生」参照)。その翌年には東海道、中山道などの五街道の起点と定められました。歌にうたわれた「お江戸日本橋七つ立ち〜」というのは朝の7時に日本橋を出発して各地へ旅立つことを意味しています。
橋の袂には「日本国道路元標」の複製があります。オリジナルは橋の真中の道路上にあり、そこが日本の中心となっています。最初に架けられた橋は木造で、現在ある橋が1911年(明治44年)に完成するまでに12回もの架け替えが行われてきました。
現在の橋は関東大震災や戦災を経て100年近くたった今でも健在ですが、高速道路ができてからはその真下に位置してしまい、美しい橋の全景を見ることができなくなってしまいました。
しかし、ゆっくりと仔細にながめてみると、さすが日本の中心の橋と言うべく、様々な趣向が凝らされていて立派な姿をしていることが解ります。全体の形はアーチ型で、橋の両側と真中には、照明灯の装飾柱が配されています。これは1999年(平成10年)に修復が行われ、明治時代の姿に蘇りました。その翌年に国の重要文化財に指定されています。 |
建設進む首都高速道路1号線 江戸橋インターチェンジ(写真:東京都提供) |
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