重厚な三井本館のとなりには、優美な三越日本橋本店の姿があります。三越は1673年(延宝元年)に伊勢松坂(今の三重県松坂市)からやってきた三井八郎右衛門高利が、本町1丁目(今の三越本店の北あたり)に「越後屋」という呉服商を開いたのが始まりです。その後1893年(明治26年)に合名会社「三井呉服店」に改称、1904年(明治37年)に欧米式百貨店をめざし、株式会社「三越呉服店」を設立しました。
1914年(大正3年)に新しい建物が完成した時に、おなじみの青銅のライオンが東玄関の左右に飾られました。1921年(大正10年)に西館を増築、1927年(昭和2年)には、関東大震災で焼かれた全館を修復を行いました。このときの設計は横河民輔が担当、日本初の自動扉エレベーターや新式のエスカレーターが設置され、話題を集めました。そしてその翌年、株式会社「三越呉服店」を株式会社「三越」と改め、大百貨店への道を着実に歩んで行きました。1925年(昭和10年)に大規模な増改築を行い、現在の建物となりました。 |
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