日本橋周辺


日本橋の百貨店(その2)

高島屋は1890年(明治23年)に東京へと進出してきた呉服店ですが、元は1831年(天保2年)、古着木綿商として京都で創業し、呉服商へと転じた老舗です。東京への進出、皇居造営のために必要となった調度品や、装飾品などの用命をうけて宮内庁に収めたことがきっかけになりました。現在の建物は1933年(昭和8年)の竣工で、設計は宮内省技師も勤めた高橋貞太郎です。その後数回に渡り増築を繰り返していますが、その設計は村野藤吾が担当、原型を損なわずに違和感なく仕上げられています。

日本橋で呉服商からスタートし、百貨店として長い間親しまれてきたものに、「白木屋」がありました。現在はその後身である東急百貨店ビルもなくなってしまいましたが、その歴史は日本橋でもっとも古く、三越の創業をさかのぼること10年前の1662年(寛文2年)のことでした。初代大村彦太郎可全が日本橋2丁目に小間物屋を開いたのが「白木屋」の始まりでした。1911年(明治44年)に建てられた和洋折衷の店舗はひときわ目立つ建物で、百貨店ではじめてのエレベーターが設置され人々の話題となりました。その後昭和31年に東急・東横系列に入り「東急百貨店」となり、1999年(平成11年)には336年にも及ぶ長い歴史に終わりを告げ、閉店しました。
高島屋
高島屋

明治44年の白木屋
明治44年の白木屋

昭和6年の白木屋
昭和6年の白木屋

東急百貨店時代
東急百貨店時代

現在の東急百貨店跡
現在の東急百貨店跡
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