清水建設は1804年(嘉永元年)江戸で創業したのに始まり、日本橋を経て明治38年に京橋の南鞘町に、昭和7年に宝町へと本拠地を移してきました。(第三話 清水建設と「日本橋・八重洲・京橋」参照)1991年(平成3年)に本社を京橋から港区芝浦に移しましたが、京橋本社があった昭和通沿いには旧本社跡の「京橋清水ビル」を始め、清水建設の手がけた建物が多くあります。
清水建設が宝町に本社を構えていた1932年(昭和7年)、同じ昭和通り沿いに建てられたのが、鈴木三栄ビル(味の素本社)です。味の素はヨードを製造していた鈴木製薬所が前身で、昆布のうまみ成分を研究していた池田博士からグルタミン酸ソーダの工業化を依頼された鈴木製薬所の二代目鈴木三郎助が生産に着手し、1908年(明治41年)科学調味料「味の素」として商品化に成功しました。当時の事務所は丸の内の八重洲にありましたが、翌年に京橋区南傳馬町に移し、宝町に新しいビルが完成すると本社を移転しました。昭和47年には京橋1丁目に本社ビルを新築、そして1991年(平成3年)に再び宝町に本社ビルを建て、現在に至っています。
ダイナミックな玄関アプローチの「兼松ビル」は1993年(平成5年)に竣工しました。このビルは既存のビルの地下部分を残して、巨大な4本の柱で人工地盤を支えその上に10階建てのビルを乗せるというSD(スピーディ&ダイナミック)工法で施工されました。
その他にも鍛冶橋どおりの第一生命相互館は1971年(昭和46年)竣工、中央通の三栄ビルは1972年(昭和47年)竣工の旧味の素本社ビルです。
また現在、中央区の街並み誘導型地区計画と機能更新型高度利用地区を活用した計画が進行しています。 |
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