ゆかたといえばお祭り、花火大会、夕涼みなど夏の風物詩です。平安時代に寺院の浴場で「湯帷子(ゆかたびら)」として使われていたのが語源といいます。江戸時代に銭湯が登場して庶民の間に入浴の習慣がひろがるとともに、湯上り着として木綿の浴衣が普及しました。浮世絵にもゆかた姿でくつろぐ美人の姿が数多く描かれています。
　大正11（1922）年に創業し、昭和15年設立の堀井株式会社は、ゆかたを中心とした和装業者の老舗です。「日本橋美人」ブランドに共感した代表取締役社長・堀井定雄さんが「女性の美しさを引き立てるのが衣服。日本橋美人には、何よりもきものやゆかたを通して内面の美しさを表現してほしい」と発案。2006年に「日本橋美人ゆかた」が誕生しました。
　選定するベースになったゆかたは、図案を型紙に彫るところから、明治以来の染色方法、仕立に及ぶまですべて職人の手仕事で作られています。その中から日本橋で働く女性たちで組織された「日本橋OLクラブ」のメンバーが豊かな感性で選び出した12点。いずれも草花や和の文様から生まれる情緒に包まれ、洗練された上品さが漂っています。日本橋の百貨店をはじめ、全国各地のデパートや専門店で発表。
　ゆかたは綿で平織という印象がありますが、最近では麻との混合や「変り織り」などで涼感が得られるなど、着やすさの工夫がされています。
　日本橋美人が内面に持つ気品をさりげなく引き立たせ、魅力を醸し出す日本橋美人ゆかたを上手に着こなし、粋なまちをおしゃれに楽しんでみませんか。

源氏物語 堀井株式会社
中央区日本橋久松町5-3 TEL 03-3664-7181
http://yukata.net