■人形町 |
「人形町」という町名は、江戸時代初期、この界隈に市村座や中村座等が繁栄し、操り人形芝居や浄瑠璃などを見せる芝居小屋などがあり、人形師が多く住んだことに由来するとされ、正式な町名となったのは、昭和8(1933)年のことです。
人形町界隈は、明治5(1872)年、水天宮がこの地に移るまでは、人影もまばらな寂しい場所であったようです。安産や水難除等のご利益で有名な水天宮の人気が手伝って、その周囲には次第に商店が増え始め、当時から大変な賑わいを見せるようになったといいます。毎月5日の水天宮の縁日は、昔から人形町の毎月恒例の行事です。昭和40年代以前の全盛期に比べると、露店が並ぶ範囲も大幅に縮小されましたが、現在も戌の日と同様、各所から多くの人がこの人形町に溢れ、普段にも増し一層賑やかな街の表情を見せています。人形町通り、甘酒横丁等には、歴史ある老舗の数々や、新しく進出した店舗等、新旧様々な店が軒を並べています。江戸の面影を色濃く残しながら更に発展を続ける、商売の街「人形町」は、今もなお健在です。 |
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