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■ 4月27日発行  このページの先頭へ
歴史的建造物の再生・保存で再開発
 区長の諮問を受けて、4月13日、区の都市計画審議会が開かれた。3つの再開発計画案で、いずれも歴史的建造物(歌舞伎座、明治屋、三菱倉庫)を含むことで共通している。各案とも賛成多数で賛成承認となった。ただし歌舞伎座については、付帯意見が付いた。それは「現在の意匠や景観の継承はもとより、建物の一部保存や部材・材料の再利用を指導し、日本の伝統文化である歌舞伎の更なる発展に努める」と区に求めている。

歌舞伎座 銀座4丁目
 計画は、敷地約6,790平方メートルに地上29階、地下4階のビルを建てるもの。ビルの高さは約150メートル。
 歌舞伎座は晴海通りの左右対象な(シンメトリー)外観で知られ、これらを残す要望も強い。しかし東京大空襲で壊滅的な打撃を受けているため保存そのものは困難なところから、建物の構成要素(シンメトリー、瓦屋根、唐破風、欄干)は受け継ぎ、再利用可能な部材は利用、再現するとしている。
 新しい歌舞伎座は、芸の伝統(俳優350名、演奏家150名)を維持し、耐震・防火性能を確保し、バリアフリーに対応した収容人数は約2千人とする。
 新たに歌舞伎ギャラリーを新設して小学生に一部客席を開放する。屋上庭園(約450平方メートル)に面した約750平方メートルの国際交流スペースも設ける。
 稽古場を開放して参加体験(約100名)できる850平方メートルの歌舞伎アカデミーを設けて学びの場を提供する。

明治屋 京橋2丁目2・3
 中央通りと柳通りにはさまれた京橋2丁目2、3番。中央を通る区道の一部約80平方メートルを柳通りに付替え、残りの道路・幅員7メートルを計画地に貫通道路として確保する。
 ビルは地上37階、地下3階で、高さは約190メートルになる。
 昭和8年に竣工した明治屋京橋ビルは、地下鉄駅と一体化した日本初の民間ビル。平成21年に中央区指定の有形文化財。地域のシンボルとして、耐震化と修復を行い、保全・活用することになった。また、歴史的建造物を体感できる場として、広く公開を図ることを目指す。中央通り沿いは建物高さの限度を31メートルとして、明治屋ビルと稜線を合わせる。歴史的建造物と新旧の調和を図るため外装の素材や色彩に配慮する。
 ビル南側には地域サロンなど交流の場を設け地下鉄京橋駅へのバリアフリー化を図る。

三菱倉庫 日本橋1丁目19番
 日本橋1丁目19番。計画では、地上18階、地下1階のビルとし、高さは約90メートル。
 江戸橋の橋台地沿い、日本橋郵便局の横に立ち昭和5年に建てられた、三菱倉庫江戸橋倉庫ビル。平成19年に東京都が歴史的建造物として指定している。日本初の倉庫ビルであり、屋上のシンボルタワーから軍艦ビルの異名で知られる。今回の新しいビルに当たり、外観を保存すると共に日本初ということをふまえトランクルームという用途を保存する。
 日本橋川に面する立地をふまえ、親水性を感じる空間として水辺を視認し、歴史的建造物の内部を感じられる公開スペース(約950平方メートル)を設ける、平日は午前8時から午後8時まで土曜日は8時から正午まで公開を予定。
 トランクルームとして利用されていた既存の建物を残すことから、一般的なオフィスビルに比べ開口部が小さいことなど壁面が多く、また最先端の設備を使うことでCO2排出量を削減できる。こうした利点から東京都の省エネカルテによるテナントビルの約57%の削減を目指す。
 
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