晴海アクセスが焦点に
区議会の「招致議員連盟」で論議
2月2日に発足した中央区議会のオリンピック・パラリンピック招致議員連盟が、17日に東京都招致本部の職員を招いて、12日、IOCに提出した「立候補ファイル」について説明会を開いた。これはテレビで和紙に包まれて提出され話題をよんだもの。メーンスタジアムが建設される晴海へのアクセスについては、朝潮運河沿いのプロムナード、補助314号線の他にシャトルバスの停留所を晴海4・2丁目に設ける。大江戸線勝どき駅については現在、交通局で検討中とのことで内容は明らかにされなかった。また地元が要望しているLRTについては言及がなかった。スタジアムへは駅など1か所からとせず、歩行を楽しんでいただく装置を設けたいとの考えを示した。また水運の利用も検討していると説明。参加した議員からは「地元の不安の声」を伝える質問が相次いだが、都は「招致が決ったのち具体的検討に入るので、その時に地元の意向を聞く」と答えた。なお議員連盟に民主党の守本議員が加わった。ファイル要約の「QアンドA」の大要をまとめた。
7割の人は賛成
世論調査(昨年6月)では、東京オリンピックを開催することについて「賛成」「どちらかといえば賛成」をあわせると70.1%、「どちらかといえば反対」「反対」をあわせると27.2%。7割の人が賛成している。
さらに小・中学生を対象にした調査によると、オリンピックを「東京で行ってほしい」との回答がほぼ8割となってる。
金がかかる?
オリンピック競技大会の運営費はテレビ放映やチケット販売に収入などで賄われ、税金は使われない。
競技会場の7割は、1964年の東京オリンピックでつくった競技場など、既にある施設を最大限活用する。
競技会場はオリンピック開催後もスポーツや文化の拠点として有効に利用し、将来の都民・国民に引き継いでいく。
オリンピック開催による経済波及効果(生産誘発額)は都内で1兆6,000億円、全国で2兆8,000億円と、日本全国に大きな経済効果をもたらすことに。
選ばれるのか
北京オリンピックの8年後に同じアジアの東京は選ばれないのでは──例えば、2004年アテネ大会の8年後の2012年には同じヨーロッパのロンドンで開催。また1968年メキシコ大会の8年後の1976年はモントリオール、その8年後に同じ北中米で開催など、前例がある。
平成20年6月、東京は最も高い評価を得て立候補都市4都市の1つに選び出されている。
どんな意義が
現在、東京の都市戦略として策定した「10年後の東京」を目標に、街路樹の倍増や校庭の芝生化、温暖化の原因となるCO2の削減、災害への備えや交通渋滞の解消、超高齢社会への対応、さらには子どもたちの健全な育成など、より安心・安全快適なまちづくりに取り組んでいる。これらの成果は、将来の都民・国民の財産として引き継がれていく。
1964年の東京オリンピックは、戦後の復興を遂げた日本の姿を世界に示し、その後の成果の原動力となった。オリンピックには社会を変える力がある。2016年の東京オリンピックは、現在の日本が抱える諸課題の解決を一層加速させる力となり、東京をさらに成熟した都市にする。
何を発信するか
現在、私たちは地球温暖化や異常気象などの危機にさらされている。日本が持つ最高水準の環境技術と、環境への先駆的な取り組みを活用し、世界一コンパクトで環境に優しいオリンピックを開催する。そして、地球環境の大切さを世界に発信し、環境問題の解決に貢献する。
オリンピックは、国や民族を超えて世界の人々が集い交流する「平和の祭典」。長きにわたり平和を貫いてきた日本だからこそ、スポーツを通じて世界中に平和の大切さを訴えることができる。そして、希薄になりつつある人々の絆と連帯を深めていく。
世界のトップアスリートが最高の力を発揮する姿を目の当たりにすることは次世代を担う子どもたちに大きな感動を与え、かけがえのない心の財産となる。
環境にやさしい
水質浄化の実施など、多様な生態系の保護に配慮するとともに、輸送による環境への影響を最大限抑制するなど、最先端の環境技術を総動員して省エネ技術や再生可能エネルギーを活用したカーボンマイナスオリンピックを目指す。そして、その成果を全世界に発信し地球環境問題の解決に貢献していく。 |