区は近い将来の地震発生に備え、平成17年、総務部に危機管理室を設置した。ところが新型インフルエンザ、食の安全、テロの問題への対応が求められているところから区は、防災課を掌握して危機管理室を充実させることにした。また区民部が文化・スポーツをつかさどる負担を緩和する狙いもある。防災拠点の組織づくりで地域の関心が高まり、町会や商工業を受けもつ区民部への信頼感が高くなっていただけに、今回の組織改正への住民の反応が注目される。実施は来年4月からで、区の考え方と改正内容は次のとおり。
新型インフルにも対応
組織改正の目的
本区の危機管理への対応としては、近い将来の地震発生に備え、特に地域防災体制の強化を図る上から、町会・自治会を始めとする区民との連携を第一に、区民部に防災課を置き、「中央区地域防災計画」に基づく總合的な防災対策事業を展開してきた。
さらに、こうした自然災害にとどまらず、事件、事故など区民の生命、身体または財産に重大な被害を及ぼす事態に対し、平常時から全庁的かつ組織的な危機管理体制を整備する組織として、平成17年4月に総務部内に危機管理室を設置した。
災害発生時においては迅速な初動体制が求められることから、危機管理室が区内部の連絡調整を担い、防災課は実働機能を担うなど、役割分担を通じ実効性のある体制の確立に務めてきた。
新しい課題
しかしながら、今日、次のような課題が生じてきている。
(1)新型インフルエンザや食の安全、テロの問題など区民生活を脅かす事態が多岐にわたり、従来にも増して機動性を持った全庁的かつ組織的な危機管理への対応が求められている。
(2)危機管理室設置後3年が経過し、両課の当初の課題に目途がついたことから、今後は、危機管理室と防災課が総務部、区民部と両部をまたがることからの組織系統の二元性を改め、真に危機対応ができる組織確立が必要である。
(3)区民部の事務分掌が多岐にわたり負担が大きいことから、一定程度緩和する必要がある。
新しい改正案
従来の危機管理室と防災課が一体的かつ機能的に危機管理に取り組むことのできるよう両課を所管する防災危機管理室を全庁的な總合調整を担う総務部内に設ける。なお防災課と危機管理室双方を統括し、指揮命令系統の一元化や機動性を確保するため、その職務権限を付与する必要性から担当の部長職を配置する。 |