東京青年会議所の中央地区は東京商工会議所中央支部と共催で、17日、銀座ブロッサムのホールで「中央区防災システム2008フォーラム」を開催した。
冒頭、青年会議所のプロジェクトリーダーは、首都圏直下型地震は30年以内に70%の確率でおきるとして、「しかし阪神大震災後、時間がたつにつれ関心が低くなってきたことも事実で、地震への知識が不正確なことも多い。そこで継続的に伝えていくため、共助を基本に地域の輪ができるようにしていきたい」との方向性を示した。
来賓を代表して立石都議は、地震の時に丸2日間生き埋め体験した母親の実話として、「息子が近所の助けを求めずに消防署に連絡した理由が、ふだん挨拶しない人に声をかけられない」エピソードを紹介し、共助の大切さを説いた。
中央区の防災対策について中島防災課長は「帰宅難民については企業が組織として危機管理の対応してくれることが望ましく、行政は買いものの客や観光客の救助の対応に努力していきたい」との役割分担の方向性を示して協力を求めた。
死なない対策
ひき続き、防災・危機管理ジャナリストの渡辺実氏が「あなたは生き残れるか」をテーマに1時間の講演。
気象庁が発表した30年間におきるマグニチュード7.2の首都圏直下型地震の確率は70%。この地震への「中央区の重点防災課題」として次の4点をあげた(1)昼間人口対策、(2)高層難民対策、(3)帰宅難民対策、(4)孤立対策。特に高層住宅ではエレベーターが止まると動けなくなる。万がいち病人が出た時どうするかヘリコプターでのアクセスは震災時には不可能で、対応策を検討すべきと説いた。また埋立地のため液状化への対応も必要と主張。
生き残りマニュアルとして次の4点を指摘(1)家や家具に殺されるな(耐震補強と家具の転倒防止を)(2)飲料水の備蓄(1日1リットルの確保)(3)食料の備蓄(カロリーメイトで充分)(4)トイレ対策(ネコの砂の活用、災害時はネコになる!)
最後に「日常の延長で考えることが大切。死なない対策をできるところから始めましょう」と呼びかけ終了した。
なお青年会議所は、10月17日、本所防災館で、11月5日は京橋区民館で防災システムセミナーを月に1回づつ開催していき、1年かけて学んだことを地域に還元していく方針を明らかにした。 |