区はこのほど「湊2丁目東地区の都市計画」について、その内容を明らかにした。
場所は湊2丁目のバス通りから隅田川沿いの緑地空地まで。
都市計画の手続きに至るまでこの地区の経緯について区は次のように説明している。
「バブル崩壊の地上げの影響で空地や駐車場が散在し、街が虫食い状態になっていることに加え、地区内の人口が減少し、地域コミュニティーの存続にも問題が生じている。また、地区内では個別の建替えが円滑に進まず、老朽化した木造建物が多く残っている。これらの課題を解決するため、地区一体として暮らしやすい住環境の再生や防災性の向上を図るまちづくりの実現に向け、計画づくりや地元の合意形成、関係行政庁等との協議をこれまで進めてきた」
こうした協議が「おおむね整った」ことから都市計画の手続きに入る、としている。
地区の特定や権利者の意向から、共同化と個別建て替えによるまちづくりを行うため、平成19年に都市計画決定を告示済の土地区画整理事業と市街地再生開発事業を並行して進める手法をとる。
<土地区画整理事業>
対象区域は湊2丁目10、11番、13番の一部、14、15番および16番の一部、約1.8ヘクタール。施行予定者は都市再生機構。権利者は109人、平成19年時点で同意は95人で同意率87.2%。
<市街地再開発事業>
対象区域は湊2丁目15番および14番の一部、16番の一部、約0.5ヘクタール。13C1街区にて共同化を希望する権利者により市街地再生開発組合を設立。
<A街区>住友不動産の土地と保留地の配置を予定。敷地約4,400平方メートル。容積率700%。最高高さ約75メートル(塔屋を含む)。建物の階数は地上15階、地下2階、用途は事務所、店舗、駐車場。
住宅棟は2棟
<B街区>敷地約3,700平方メートル。容積率850%。最高高さ約140メートル。地上39階、地下2階、住宅、店舗、作業所。
<C1街区>敷地約730平方メートル。容積率約400%。最高35メートル。地上10階建て。
計画住宅戸数はB、C1街区合計370戸。
11月に中央区都市計画審議会を予定。
地元の住民から見直し要望書
湊2丁目の再開発に同地区の住民2氏から見直しを求める要望書が11日矢田区長あてに提出された。住民は中須良一氏と相良孝道氏。次のように要望している。
計画は、大規模法人権利者による事務系大型ビル建設とUR都市機構が主導して超高層住宅を建設する事業であって、戸建てを希望してこの街に住み続けたいとする住民を無視したものになっている。また、整備イメージを見る限りでは、区道廃止、日影など近隣への配慮を著しく欠いた計画と言わざるを得ない。 |