「豊洲新市場予定地における土壌汚染対策等に関する専門家会議」が、7月26日に開かれ最終報告書を都に提出した。
専門家会議が提案した地下水管理(既報)は上図のとおり。海と市場敷地はコンクリート護岸で遮断し、市場施設の下は舗装等を敷く。敷地の地下2メートルの汚染土砂は別の場所に舟で運んで浄化。その上2メートルに新しい土砂を盛る。さらに地下水は上昇するので井戸で汲みあげて処理するとともに常時、観測するなどの管理をする。この方法の効果を次のように報告。
「このような内容で土壌汚染対策が実施されれば、汚染土壌の直接曝露による人の健康リスクおよび生鮮食料品の影響は生じず、地下水の飲用や地下水が地上に露出することによる人の健康リスクおよび生鮮食料品への影響が生じる可能性はないと考えられる」
汚染空気については、「建物建設地で地下水環境基準、建物建設地以外で排水基準に適合するレベルで地下水管理が行なわれることにより、人の健康リスク上問題のないレベルでの地上空気環境の維持が可能」と断言。
最終報告にもとづいて東京都は、汚染対策に要する費用、新市場建設の日程などについて8月中にまとめることを明らかにしている。また豊洲の汚染土壌をどこで処理するかについても明らかにするとしている。
注目される対案
市場を考える会
築地市場の豊洲移転に反対している「市場を考える会」は12日、デモを実施し、汚染された土地で食の安心安全は保障されないとして、気勢をあげた。考える会は、現在地での再整備は可能としている。
しかし水産・青果業者は、業務を継続しながら再整備を行なう「ローリング方式」に不可能との結論を出し、アスベスト問題などとからんで豊洲移転の道を選んだ。
仲卸業界の一部に現在地再整備の声が強い。新天地に架設市場を設けることが困難な現状で、且つて問題になったローリング方式による新たな対案とはどんなものか注目される。また都の具体案に場外市場の今後について盛りこまれるかも注目の的だ。
来年7月に都議選を控えて都議会各会派の対応も、食の安心安全に関わるだけに複雑で、9月都議会が注目されている。 |