築地市場内の関係5団体は5月27日、石原知事に豊洲移転を推進するよう求める要請書を提出した。土壌汚染への明確な方策とともに風評被害への対策も要請。また現在地再整備が頓挫した経緯から豊洲への移転しかないと強調している。
要請団体は次の通り。東京都水産物卸売業者協会、東京魚市場買参協同組合、東京魚商業協同組合、築地市場関連事業者等協議会、築地市場青果連合事業協会。
仲卸団体の東京魚市場卸協同組合は移転か否かで意思決定しておらず、今回の要請に連署していない。
業界の要請書
築地市場の移転先である豊洲地区において実施した土壌及び地下水の詳細調査の結果が明らかとなり、ベンゼン・シアンなどの高濃度な汚染が見つかり、更なる土壌汚染対策が求められております。このような土壌汚染問題の状況が、都民の間に豊洲移転への不安をあおり、思わぬ風評を生み出しかねません。都民の公共の利益に資する中央卸売市場は、生鮮食品を扱う市場として食の安全・安心の確保が最優先の課題であります。知事は、かねてより、環境問題等で国をリードした先進的な政策を打ち出され、高い評価を得られておりますが、食の安全・安心も都民の健康を確保するという点で同様に重要な課題であります。私共築地市場業界といたしましては、東京都が全国に先駆けて食の安全・安心が確立された豊洲市場を実現されることを強く望みます。特にこの土壌汚染問題に関しては風評被害の予防・排除をも視野に入れた、最善・最強の改善方策を講ずるよう、強く要請いたします。
築地市場に関しては、移転、現在地再整備と様々な議論がなされてきました。平成3年には現在地再整備に着手したものの、営業を継続しながらの工事の困難性や将来の発展余地が確保出来ないなど多くの問題を抱え、頓挫した苦い経験があり築地での再整備は不可能と言わざるを得ません。また、現実的に移転可能な候補地は、豊洲以外にはなかなか考えられません。こうした点をお考えいただき、豊洲移転の推進に向けた東京都の特段のご高配を、切にお願い申し上げます。 |
