4月23日、「月島西仲通り商店街4番街の建物保存について」と題する要望書(別掲)が矢田区長に提出された。月島西仲共栄商店会振興組合、月島もんじゃ振興会協同組合、月島四之部西町会の3団体連名で出されたもの。西仲通りの入口に位置する一角が底地買いされ、マンション建設を進める業者がその一部の解体を始めたことに危機感をつのらせ「月島の下町情緒あふれる景観が著しく損なわれる」と訴えている。同時に、「恒久的な保存ではなく、月島3丁目地区のまちづくり計画が策定されるまで」と条件をつけている。これは、区が月島3丁目の住民に対して2月に開いた「まちづくり説明会」で打ち出された区の方針を地元が受け入れ、期待していることを示したものだ。
街並み保存求め要望
西仲、もんじゃ、町会から
築地から勝どき橋を渡り晴海通り左の交番を曲がって行くと西仲橋。ここから高層ビルの間を行くと西仲通り商店街に入る。その左側の一角が底地買いされた場所。そこをもとにして(株)プロバストがマンション建設を計画。同社はさらにその一画で広い敷地を有する味の浜藤の社有地を取得したところから、地元に危機意識が広まった。
そこで区は2月26日、第1回目の月島3丁目地区のまちづくり説明会を開催した。同地区は21〜24番の一部の区域で平成17年12月に準備組合が組織されていて再開発を進めているが、区は説明会でこの件について「区の力量不足のため、まとめられず地区内の方々に混乱を招いた」と言及。さらに隣接するイヌイ建物のエースレーンとコーポ101で高層ビルによる一体的な開発が計画されていることも紹介した。
そこで20番の一部で土地の買取が行われていて「いずれ開発計画が具体化してくる状況」と説明した。区はこの事実について、次のような考え方を明かにした。
(1)当地区の現状をふまえ、課題を解決していくためには、個別建替えでは対応が困難と思われる
(2)地域の課題を解決するためには、一体的な整備を行うことで、まちの更新を図ることも必要
(3)そこで、方法の一つとして「地権者一人ひとりが協力し合って進める再開発事業による一体的なまちづくり」を進めることが必要と考える。
こうした区の方針を受けて西仲共栄会、月島もんじゃ振興会共同組合、月島四之部西町会の3団体は4月23日、別項のような要望書を矢田区長に提出した。
区はすでに月島1丁目の清澄通りに面した一角(3、4、5番)で再開発計画を明かにしている。今回の3丁目地区での動向が新たなまちづくりとして注目される。
地元の要望書
2月26日に中央区が行いました「月島3丁目地区のまちづくり説明会」でもありましたように、西仲通り4番街の一部で(株)プロバストが土地を買い占め、マンション建設計画を進めようとしています。説明会で中央区からお話がありました通りこの計画は地区の環境を著しく悪化させるため、中央区が事業者に対して計画を持つよう指導されていることは、地元としまして大変ありがたい限りと感謝しております。
ところがこの事業者は居住者の立ち退きが完了した建物(3丁目20-7、8)の解体を開始しました。もし事業者がこのような建物の解体を商店街4番街沿いまで開始すると、月島の下町情緒あふれる西仲通り商店街の景観が著しく損われることになります。
月島の路地と長屋からなる景観は、この春から始まったNHK連続テレビ小説「瞳」にも取り上げられている通り、広く人々を魅了しています。カメラを片手にまちを散策する人を多く見かけますが、「もんじゃ焼き」と相まって多くの人々を魅きつけています。もしこの景観が損われると環境の悪化だけでなく、「もんじゃ焼き」産業の衰退を招き、商店街の衰退と地域コミュニティの崩壊まで招く恐れがあります。
そこで我々は、マンション建設計画に待ったをかけることに加え、西仲通り商店街4番街(月島3丁目20-4、5、6)の建物保存を要望いたします。これは恒久的な保存ではなく、あくまでも月島3丁目地区(18〜23番、24番の一部、25番、26番の一部及び32番の一部)のまちづくり計画が策定されるまでです。中央区から事業者に対して強くご指導頂けますようお願いします。 |