街並みの保全 鷲頭隆史委員(自由民主党) 規制緩和によって区内各地で総合設計制度が採用されている公開空地について「通りに凸凹ができて地域に有効とは思えない」と批判するとともに「まちなみの景観」という視点が必要ではないかと区の考え方を質した。区は、まちづくりの視点を地域の住民の協力と生活し続けられることにおいていると説明するとともに、吉田副区長は景観は主観的な要素の強いものとしたうえで、銀座でデザイン協議会を設置したように各地域の特性に応じた対応をしていくとの方向を示した。
新しいコミュニティが育たない現状を「交流のもてるような施設を作っていく創意工夫」を求めた。また住みかえについては「家族が近くに住めるリサイクルしていく仕組みづくりを検討してはいかがか」と提案。
中央区の公園、畑を他の自治体に作る発想を提案したところ、吉田副区長は「都心の子どもは土と火と水を知らない。地方の豊かな自然との連携によるコラボレーションを検討したい」と答弁。
ソフトの視点で
植原恭子委員(公明党) 市街地再開発事業の今後について「格差社会の進行するなかハード面の充実だけでなくソフト面の視点が重要」と強調。吉田副区長は「文化・コミュニティ、安全の営みをどう維持していくかの視点で全庁的にとりくみたい」と答えた。
開発による住みかえは区外が多いことから高齢者や一人親家族への抜本的対応を求めた。区は、民間アパートの借りあげは難しいが「高齢者をこばまない不動産登録をすすめる」と約束。
勝どき、豊海のまちづくりで「バスの増発、豊海小の防災拠点としての機能向上、新場橋の架け替えと5丁目開発、オリンピック対策は勝どき駅ホームの改善だけか」に言及、区は都との具体的協議をはかると答弁。
まち協の改善を
田辺七郎委員(日本共産党) 多くなった歩行者分離信号をさらに進めてスクランブル化するよう要望。コミュニティバスの検討にパブリックコメントを採用して広く区民の声を聞くように、と強調。まちづくり協議会の「事前案内を周知し、広報紙を全員配布し、会場を学校など広い場所に」と要求。
区道は区民共有の財産との立場から「特定企業の利のために青空をせばめることのないように」と主張。春海橋公園の3分の2が失われることに反対を表明。市場の移転反対とオリンピック促進は両立しない、具体的行動をの要求に区は「築地の賑わいを守っていくことが区の主眼で、豊洲の調査結果の出る今年が決戦の時だと思っている」との認識を示した。
東京都を叱る
渡部博年委員(民主党区民クラブ) 晴海には交通手段はバスしかないとして「コミュニティバスの他にLRTや海上交通の行方」を質問。区は「不便地域の解消がコミュニティバスの主眼である」と説明。コミュニティファンドを借りあげ住宅に活用できないかと指摘。吉田副区長は、大規模開発のもたらす地域の環境や文化に対応するが弱者対策は開発の中で対応し、ファンドを使うのが適当と考えていない、との見解を示した。
オリンピック誘致について、「華火祭と同じ人が毎日来たら晴海の人たちは生活できない。地域のことを解決しないで、ないがしろにするなら、そんなオリンピックは必要ない。都の計画だって紙きれ一枚じゃないか」と不満をあらわにした。
近江商人を説く 小坂和輝委員(友愛中央) 築地市場と場外の業者の「8割は移転に反対している」との独自調査をもとにして移転反対は民意と主張。さらに近江商人のいう「売手よし、買手よし、そして世間よし」からすれば、東京都は世間を全く無視とも主張。企画部長は歴史的経緯を説明、また築地ブランドについて矢田区長は「人の土地に絵をかいてと言われるかもしれないが、先行的とりくみ」と区の姿勢を説明。
銀座の中央通りの灰皿設置を「世界一の通りにおかしいではないか」と疑問を呈した。吉田副区長は「かねてから銀座はタバコを吸う人も客との考え方」との経過を示し「今の形体がいいものではないので、うまいものにして、分かりやすい街へ協議する」と答えた。
新しい視点を
田中耕太郎委員(かけはし) 10万人口を達成した中央区の次なる目標は何かと質問。区長は「都議を2人選出するには20万人が必要と言われ、何人かが適正は難しい」と答えた。まちづくり協議会について「平均年令が高すぎる。女性は殆どいない。次世代の意見を反映できない」問題点を指摘し、「町会におんぶにだっこでいいのか、HPで一般参加を募り、開催を土日曜にするように」と提案。吉田副区長は、課題によって協議メンバーを組み替えるなどの対応をしている、と説明。
再開発事業を今のまま進めると過恨をのこすのではないかと景観の視点を指摘。吉田副区長は、面的コントロールは必要だが「丸の内のようにはしないで、地区計画の詳細化で対応している」。 |