昭和12年、京橋区立宇佐美健康学園として開園し、6,187名もの卒園生を送り出してきた宇佐美学園が、70周年を迎え、9日午後12時30分から同学園の体育館で記念式典を開催した。
同学園は、ぜん息など呼吸疾患や肥満を改善するため、自然体験を希望する小学校3年以上の児童が親元を離れて集団生活をしている。
式典で、園長の千葉家門城東小校長は70周年に至るまでの経緯を説明するとともに「この学園は子どもたちの第二の故郷です。今後も先人の努力を引き継ぎ充実、発展させていきたい」と式辞。
矢田区長は「豊かな自然に恵まれ、その中で繰り広げられる共同生活を基盤に心や体を鍛えるとともに豊かな人間関係を育む教育は、大変すばらしい」、教育委員会の永嶋久子委員長は「児童の皆さんが本園に学ぶことを誇りに思い、友達や先生、そして支えてくださる多くの皆さんに感謝して、社会の中でたくましく生きていくように」と、それぞれ挨拶。
来賓を代表して地元伊東市の佃弘巳市長は、江戸城の築城石はこの近くの山から切り出した、と郷土を誇るとともに「和田の湯の温泉を徳川将軍に献上した縁で毎年、温泉を佃島まで運ぶ民間交流」を紹介、「ここを第二の故郷(ふるさと)として豊かな自然のもと、心と体を鍛えて下さい」と祝辞。さらに区議会の鈴木久雄議長も「親元を離れて自立の力を養い、心豊かでたくましく思いやりの心が育くまれ、この学園生活が楽しい思い出として皆さんの心に大きく残るでしょう」と祝辞を述べた。
この後、在園の児童46名がステージで「よろこびのことば」学園の生活を紹介しつつ「いつまでも宇佐美は私たちの心のふるさと。多くの方々が残してくれた思い出を未来へと引き継いでいきます」と結んだ。
引き続き校庭では一輪車と組体操による「うさみの和」を披露して列席者の拍手をあびた。
祝賀会ではPTAの北角満会長が挨拶。同窓会の菊岡豊二会長、校長会の藤村雄二会長から祝辞が寄せられた。
記念誌を発刊
70周年の記念誌が式典の列席者に贈られた。
表紙には山の麓に建つ学園の全景がカラー写真で掲載されている。
昭和の10年代に始まり学園生活を送る子どもたちの様子を写真で紹介。各時代の風俗をたどることができる。また現在の学園の行事などとともに在園児童がイラストで紹介されている。
PTAの北角会長は、「お祝いの言葉」で次のように記している。
「残念なことに、世間での健康学園の認知度は著しく低い。保護者は宇佐美学園に子供を通わせるにあたり、周囲に説明納得させるのが難しく、あたかも他の鳥の巣に卵を置くカッコウの様に思われることもある。今、この学園は子供がここで受けられ、将来子供のためになるという確信のもとに希望して入園することができる学校である。また学園側も子供が通いたい、親からも支持される特色ある教育をする不断の努力をしている。多くの方々の努力と支援が学園に注がれてきたという歴史は将来も脈々と受け継がれていくだろう」 |