区は年末に「中央区基本計画2008」を明らかにした。すでに区政運営の指針としている「基本計画2005」が3年を経過し、この間に定住人口10万を達成したことによる環境変化に対応するため、同計画を見直すことにしたもの。新しい計画は平成20年度から29年度の10か年計画で、24年までを前期、25年以後を後期としている。さらに不確定要素として、東京オリンピックと築地市場の移転があり、オリンピックの影響は考慮せず、市場については「万が一の場合を想定した」としている。人口については順調にのび続けて平成30年には13万1,900人と想定。さらに15歳未満の人口も増加して30年には1万4,500人に達する。また65歳以上の高齢者人口比率は、国や東京都に比べ下回るものの、30年には17%をこえると想定している。基本計画とともに「10年後の中央区」も明らかにした。区政の5つの基本目標ごとに各施策の到達を想定したもの。この内容は区のホームページで見ることができ、区民の意見をもとにして2月までにまとめる予定。
子どもが輝く子育て
教育のまちづくり
◇子育て家庭が地域のなかで安心して子どもを産み、自信と喜びを持って子育てを行っています。また、保育所の待機児童が解消されるとともに、働きながら子育てができる多様な保育環境が整備されています。
◇まちには子どもたちの声があふれ、子どもを中心とした幅広い世代の交流が盛んで、多くの区民が子育てに関っています。
◇家庭・地域・保育所・幼稚園・学校など幅広い連携が進み、子どもたちは、地域全体で見守られながら健康で心豊かに成長しています。
◇子どもたちが個性と能力を育みながら、確かな学力・豊かな人間性、健康と体力の3つの要素からなる「生きる力」を向上させるため、いきいきと学んでいます。
◇「教育の中央区」にふさわしい質の高い教育が行われ、地域の伝統や文化を誇りを持って受け継いだ若者たちが、国際社会で活躍するとともに、中央区の魅力を世界に発信する担い手として成長しています。
◇自主的な生涯学習活動が活発に行われ、多くの区民が学習やスポーツを楽しむとともに、地域づくりの担い手として学習の成果を生かしています。
すべての人々の健康と高齢者の
いきがいのあるまちづくり
◇生涯にわたり人生を楽しむことの基本となる健康の大切さについて、区民一人ひとりが自覚を持ち、健康づくりや体力の向上に努めています。
◇「福祉の心」を持つ区民による支え合いのネットワークが確立され、高齢者や障害者、子どもや子育て世代などすべての人々が安心して健康的な生活を送っています。
◇「70歳就労社会」の実現により、元気な高齢者が住み慣れた地域で、その能力や経験を生かして就労や地域活動を行うなど心豊かにいきいきと暮らしています。
◇介護を必要とする高令者や障害者が、住み慣れた地域で、在宅を中心とする介護サービスを利用しながら自立した生活を営んでいます。
◇バリアフリー化を含むユニバーサルデザインのまちづくりが進み、だれもが利用しやすい安全で快適な都市環境が実現しています。
歴史と先進性をいかした
集いとにぎわいあるまちづくり
◇水辺や緑を生かした景観づくりが進むとともに、中央区の魅力である歴史や文化、にぎわいを象徴的に伝える風景が整備されています。
◇区内各地区の個性と魅力に一段と磨きがかかり中央区の魅力が世界に向け発進されています。
◇江戸以来の歴史と伝統や食文化、ファッションやショッピングエリアといった観光資源に加え隅田川や日本橋川といった水辺空間など新たな資源を生かした観光振興が進み、世界中から訪れる人々でまちがにぎわっています。
◇最先端の都市活動に加え、区内商店街や地域産業が活性化し、まちに活気と活力があふれています。
◇東京の顔として日本橋や東京駅前地区の整備が進むとともに、築地市場地区においては、「築地ブランド」を生かしたにぎわい施設が整備され新たな活気と魅力あふれるまちが形成されています。
地球にやさしい
水と緑のまちづくり
◇国や東京都と区の強い連携のもと、区民・事業者・区が一体となって環境をよくする活動に取組み、地球にやさしい都市構造や生活環境等が形成されています。
◇区民一人ひとりがエネルギーや資源を大切に使う生活や事業活動をしています。
◇地域の要望を踏まえた公園の整備が進み、子どもたちや高令者など多くの人々に利用され、緑豊かな地域の核である公園のにぎわいでまちに活気があふれています。
◇街路樹や緑道の整備により水と緑のネットワークが強化され、都市と自然の調和のとれた「水の都 中央区」が再生されています。
地域ぐるみの安全・安心まちづくり
◇防災区民組織や防災拠点運営委員会の活動が活発化し、地域の核とした防災力の向上が図られています。
◇高齢者や障害者、妊産婦や乳幼児を含めた災害時要援護者対象が進み誰もが安心して暮らせる環境が整備されています。
◇事業所防災対策や高層住宅防災対策など、本区の特性にあった防災対策が進み、在勤者や来街者を含むさまざまな立場の人の安全が確保されています。
◇全国に先駆けて実施した分譲マンション共用部分の改修への補助制度等の活用が進み、安全で良好なマンションストックが形成されています。また、住宅の耐震化や防災面に配慮した開発の誘導、橋りょうの耐震補強、無電柱化などが進み、災害に強く安全なまちが形成されています。
◇地域における犯罪が大幅に減少し、子どもから高齢者まで区民が安心して暮らしています。
◇多様な機関との連携のもと、人為災害や感染症等を含むさまざまな脅威から区民の安全を守る体制が整備されています。 |