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大江戸 湧井浩之さん ●プロフィール

 昭和44年5月6日、日本橋生まれ。200年の歴史を誇る老舗「うなぎ・割烹大江戸」の10代目。地元の常盤小学校卒業後、慶応義塾中等部に進学。大学卒業まで同校に籍を置く。家業を継ぐべく、あの名門として知られる京都の「岡崎つる家」で修行。大阪本店、ホテル内店舗の業務も経験。2年後に戻り、料理人として、さらに研鑽を積む。「どの世界でも現状の自分に満足したら、そこで止まってしまうと思います。常に前向きと言いますか、一生修行するつもりでやっていきたいです」という志を胸に、今日も板場で腕をふるっている。



●先代から受け継がれたもの、またこれからの展開などについて教えて下さい。

大江戸 湧井浩之さん 大学卒業の折、一度は勤め人をやってみたいと思いましたが、子供の頃から、この店を見て育っていますから、「店を継ぐ」ということに、あまり抵抗はありませんでした。料理屋という商売にも興味を持っており、むしろ「おれがやらなきゃ」という気持ちが強くありましたので、自然と店に入ることができたと思います。また、200年続く老舗であるという点に関しても、重圧はあまり感じませんでした。その時代には、その時代のニーズや嗜好があり、「老舗の味」というものも、ある意味で変わって行かなければ、継続が難しいと考えています。当店も、200年間にわたり、時代の要請に応えつつ現在に至っております。ただ、御馴染みのお客様には、これからも御馴染みでいていただきたいと思います。
 板場に出ていつも感じることは、私ども作り手にとっては、一対多数というお客様との関係ですが、お客様にとっては、自分だけの一対一の関わりだということです。ひとりのお客様に対して、気持ちを込めて丁寧に料理を作り、美味しく召し上がっていただけるようにと努力しています。
大江戸 湧井浩之さん 最近、古いものが見直されています。「温故知新」という風潮は、われわれ老舗の味を守る者にとっては、嬉しいと思う反面、当たり前とも感じます。というのは、うなぎ屋という一商売ではありますが、料理も同様に、文化の継承という側面を多分に持っているからです。継承者としては、伝統ある料理を、未来永劫残していく必要があります。100年後も「うなぎ」という食べ物が、今と変わらず皆様に愛され続け、美味しく食べていただけたらと思っています。




 創業は寛成年間の1800年です。初代草加屋吉兵衛が、江戸(〜蔵前と伝えられていますが…)に店を開き、以来200年間、江戸の味・うなぎの蒲焼を代々受け継いでまいりました。
日本橋に落ち着いたのは昭和21年。店舗は関東大震災後に建てられた昭和初期の建物で、約70年を経ています。商人が集い、庶民が気軽に足を運んだ下町の風情を残す店内には、個室風の「食堂」とゆったりお食事が楽しめる「お座敷」をご用意しております。

 当店の天然物は、全国をいろいろ食べ比べた結果、島根県宍道湖のうなぎを使用し、また、養殖は、大井川産、吉田産、鹿児島産を使用しております。つけだれは、半世紀以上、継ぎ足されたもので、材料は、砂糖と醤油とみりんのみ。甘からず、辛からず、後をひく味わいが、ご好評いただいております。たれをつけたうなぎは、火力の強い備長炭で焼きあげ、その焼き加減は、料理人の腕と勘だけが頼り。ふっくらとした仕上がり、たれとご飯との調和にもこだわった当店のうなぎを、ぜひご賞味ください。

 当店の献立は、「食堂」と「お座敷」に分かれています。食堂献立は、本格的な味が気軽に楽しめる「うな重」(ふみづき、2000円〜)をご用意しております。うなぎにお料理が付いたコースには、「鶴定食(6000円)」「亀定食(7000円)」がございます。また「お昼のコース (4種類、6800円〜) 」もおすすめです。

 お座敷献立のコースは、「吉定食(16000円)」「福定食(18000円)」「蓬莱(21000円)」の3種類をはじめ、各種日本料理をご用意いたしております。土曜日のみ、うなぎ1本を、切らずにそのまま焼いてお出しする「いかだ(2700円〜)」もご好評いただいております。

 さらに当店ではお土産用の「鰻蒲焼の真空パック(タレ付き、2800円・3300円)」も販売 しております。また、日本橋地区、大手町地区、神田地区への各種出前(その他の地域については、電話にて問い合わせ下さい)も行っておりますので、ご相談下さい。



住所 中央区日本橋本町4-7-10
電話番号 03-3241-3838
ホームページ http://r.gnavi.co.jp/g144600/
営業時間 (ランチ) 11:00〜22:00
(L.O.21:45)
定休日 日・祝


●「うざくの作り方」


 「大江戸」の10代目、湧井浩之さんが伝授してくださったのは、うなぎを使った酢の物「うざく」の作り方です。きゅうりとうどで和えたうなぎは、蒲焼とは違い、コクの中にもさっぱりした味わいが楽しめる一品。調理のコツは、野菜の下ごしらえをしっかりすること、うなぎのたれを使うこと、温かいうなぎを手早く和えることです 。

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2003年11月掲載記事  
※内容は、掲載当時のものとなります  
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