2001年には「銀座アキュイユ」の開催を機に、全銀座の統一意思決定機関として、23町会、12通り会、協同組合・業種団体・任意団体の加盟を得て、全銀座会が発足しました。今後の銀座の発展のために、心強い地元組織の結束と言えるでしょう。


 若い女性のお客様が増えているのは事実で、ある意味では良いことだと思います。しかし、銀座の商人の生き様は、もてなしの心にあるので、商品がマスプロ化すると同時に接客もマスプロ化していることには少々危惧を感じています。老舗の良さは、商品に対する専門的な知識をしっかり持った人間がいて、個々のお客様に的確なアドバイスが出来ることでもあります。買う方も、売る方も少々ゆとりの無い時代になってしまったというのが昨今の実感です。しかし、これからのショッピングは、“癒し”と“憩い”がキーワードになるのではないでしょうか。われわれはそれを十二分に提供できる専門店、老舗としての技量を積極的にアピールしていくことが重要だと考えています。また銀座に来なければ手に入らない、味わえないという特異性を持つことも大切だと思います。
 残念なことは、何十年、何百年と続いた老舗が徐々に姿を消しつつあることです。大きな要因として、相続税の問題があります。短期間に代替わりが続くと、相続税の負担で商売を続けることが困難になってしまいます。特に規模の小さなところは企業努力だけでは持ちこたえられません。農地には特別免税の措置があるのに、商業にはそれがない。不公平ではないかと、行政には声を大にして訴えたいですね。
 今後の目標としては、銀座に緑を増やそうということです。ゆったりと、安心して過ごせる街、憩いを生むショッピング街には、豊かな緑がぜひとも欲しいですね。

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                                                          2003年8月掲載記事
                                                ※内容は、掲載当時のものとなります