|
|
1、なぜ「とよだ」さんに来てみたかったのですか。 |
津田:
買物客や会社勤めの人達で賑わう中央通りから一つ裏通りに入ると、古くからの格式ある老舗が建ち並び、江戸の情緒を偲ばせてくれるこの辺りの雰囲気がとても気に入っています。お店のことは、この地域でも日本料理の代表的な老舗としてお名前をよく存じ上げておりました。また、見た目も大変美しい高級なお弁当を目にしたこともありましたし、ランチは気軽に楽しめるメニューが豊富にあるということを耳にしていたので、いつか必ず行ってみたいと思っていました。今までは、老舗の敷居がどうしても高く感じられ、前を通りがかっても中々勇気を出して入ることができませんでした。そこで、この機会に是非こちらの老舗のお味を体験してみたいと思い、憧れの店に推薦させて頂きました。 |
|
|
|
2、お店についてお聞かせ下さい。 |
若主人:
江戸末期の文久3(1863)年、初代・豊田米吉がこの界隈で、屋台の寿司屋を出したのが始まりです。以後、本石町に店を持ち、寿司及び仕出し料理屋を経てこの日本橋室町に移転、割烹料理の店としてお客様を店にお迎えするようになり40年が経ちます。創業以来伝承した江戸前の技と味に、新たな工夫を凝らし、心を込めた旬の料理でたくさんのお客様にご愛顧頂いて参りました。
お昼は会社勤めの方々や、クラス会等女性同士の集いに多くご利用頂いており、夜は、カウンター席にはカップル、個室には大小様々なご会食や周辺企業のご接待の方々に多くおいで頂いております。お席は、1階がカウンター8席、テーブル4席。2階は椅子席や掘り炬燵等の4個室。3階の2個室は、合わせると25人までのご宴会向きの広間になり、総席数は57席です。いずれも落ちついた雰囲気でお食事をお楽しみ頂けます。 |
|
|
|
|
|
3、いらしてみたお店の感じはいかがですか。 |
津田:
ふぐちょうちん(ハリセンボン)が飾られた風情ある佇まいの入り口を入ると、近代的なビル街からは一転して、静かでゆったりとした和風のスペースが広がっています。モダンジャズが心地よく流れ、外観からは想像できないおしゃれな造りに驚かされました。カウンターの上にある照明が、ほんのりと店内を照らし、テーブル席横の壁には、若主人がドイツの公邸料理人だった時代に作った晩餐会のメニューがさりげなく飾られ、インテリアのひとつとして、お店によく溶けこんでいます。改装時、以前のものをそのまま残したという重厚なケヤキの天井が内装のベースになっていて、斬新なストライプの床等全体の色合いとしっくりマッチしています。随所にリラックスできる、さりげない気配りが感じられ、さすがに最高のお料理と、サービスを重ねてこられた老舗なのだと感心し、憧れのお店に初めて足を踏み入れることができた喜びで、胸がいっぱいになりました。 |
|
|
|
|
4、お奨めメニュー、お酒について教えてください。 |
若主人:
素材は四季を通じ全て築地市場で、最高の品々を吟味して参ります。お昼は、お造り・煮物・焼物等を多彩に盛り込んだ「松花堂(2000円)」が女性に人気です。他にも、月替わりの「おすすめ定食(1500円〜)」、お造り・焼き物・煮物にデザート付の「昼膳(3000円)」、お料理4品にデザートが付いた「昼会席(5000円)」他、多彩にご用意しております。
夜は、四季の味覚満載の月替わりの会席「おまかせコース」がお薦めです。こちらは、お料理数品に食事・水菓子付で7000円〜16000円の4コースがあります。カウンターのみでのご提供の単品は「芝海老の揚げしんじょ(1500円)」「江戸前穴子の白焼き(1500円)」等、年間を通してお出ししております。また、10月から3月は、下関の天然とらふぐを使った「ふぐコース(12000円〜15000円)」や、旬の魚介類や野菜を豊富に盛り込んだ、名代「寄せ鍋コース(8000円)」等の季節料理がお楽しみ頂けます。
お酒は、福井県の「黒龍」等、約10種類程。ワインは、大樽で熟成させたイタリア産を主体に赤白各10種があり、友人でもあるワインコーディネーターが和食に合う上質のワインを毎月セレクトしています(グラス1000円〜、ボトル5000円〜)。 |
|
|
|
5、OL津田さんから一言お聞かせください。 |
津田:
本日は、和食の醍醐味が凝縮された季節感溢れる、予約制のランチ「旬彩弁当(4000円)」を頂きました。焼き物・煮物・揚げ物が、越前塗りの二段重ねの手提げのお重に、彩よく盛りつけられています。「なまことやまと芋のこのわたがけ」「蟹とくらげときゅうりの酢の物」「鶉の松風」「さいまき海老の酒蒸し」「にしんの昆布巻き」「とこぶしの大船煮」「よせ海老をはさんだ高野豆腐と筍、里芋の煮物」「厚焼き玉子」「鶏のやはた巻き」「茄子の鶏味噌田楽」等々。全てが主役になるような逸品ばかりで、どれから手をつけたらいいのか迷ってしまいました。特に、生芝海老と卵だけを使い、ふっくらとした味わいの「芝海老の揚げしんじょう」、良質の胡麻と吉野本葛、牛乳、生クリームで仕上げた、なめらかな舌触りの「胡麻豆腐」、肉厚の銀ダラを笹で包んだ香り豊かな「銀ダラの西京焼き」等が印象的でした。また、お造りの平目は常磐の天然物の寒平目というだけあって、甘みがあり歯ごたえが最高でした。合わせ味噌仕立てで、塩引きのぶりや季節の野菜で具沢山のお椀、野沢菜とちりめんじゃこのまぜご飯、水菓子の苺に至るまで、本当に美味しく頂きました。どれにも、細やかな気配りが隅々まで感じられる心暖まるお料理でした。 |
|
|
|
|