日本橋美人新聞No.14冬春号(2008−2009年)掲載
日本橋美人めぐりは「日本橋美人プロジェクト」が推奨する日本橋の散策コースです。
日本橋美人のたしなみはおのずと文字に現れるもの。今回ご紹介するのは「書く」にまつわる日本橋の逸品です。
承応2(1653)年の創業以来、小津産業は紙業一筋の老舗です。併設された小津和紙では、全国の和紙が一堂に揃えられています。
お薦めは手漉き和紙らしい趣が魅力のオリジナル便箋セット『和のくらし』です。 埼玉県小川町産の「細川紙」は、美しい紙色と、筆を選ばない紙質、縁に「耳」を残すなど、伝統技術に裏打ちされた職人の技が感じられます。 知性と優美さを兼ね備えた日本橋美人にぴったりの便箋セットです。 小津オリジナル便箋セット「和のくらし」 10,000円 (封筒25枚、便箋100枚/桐箱入り) 住所 日本橋本町3-6-2小津本館ビル 電話 03-3662-1184 営業時間 10:00〜19:00 ※史料館は10:00〜18:00 定休日 日曜 MAP16
大正元(1912)年創業で書画用品を扱う有便堂は横山大観をはじめ、数多くの著名な画人や文人に贔屓にされてきました。四季の彩りを活かした和のディスプレイ、五百種類以上の岩絵の具に美しい日本文化を感じます。
充実した和紙小物類の中でも四季をモチーフにした『手刷り木版葉書』は時候のご挨拶などにお薦め。日本橋が描かれた「日本橋シリーズ」は常備したいアイテムです。 日本橋美人のまごころを添えた一筆は先様の心を温かくすることでしょう。 手刷り木版葉書 388円〜 住所 日本橋室町1-6-6 電話 03-3241-6504 営業時間 10:00〜18:00 定休日 日曜、祝日 MAP25
洗練されたアイテムが魅力のセレクトショップ。
お薦めはフランス王室御用達のエルバン社の製品です。薄いピンクのインクは『インビジブル』の言葉通り、乾くと文字が消えます。 キャンドルの灯などで温めると文字が浮かび上がり、冷めると再び消えてしまいます。 カリグラフィーでも良く使用されるドイツ、ブラウゼ社の『付けペン』は強弱がつけやすいので味わい深い文字をしたためたい時にどうぞ。 日本橋美人ならではの洒落っ気で、内緒の文章を綴ってみてはいかがですか。 インビジブルインク・ピグメントインク 1,470円 マーブルペン 304円 住所 日本橋1-4-1コレド日本橋3F 電話 03-5205-0011 営業時間 平日・土曜11:00〜21:00/日祝11:00〜20:00 MAP2
文化3(1806)年創業のはいばらは「雁皮紙」や「水引」など江戸の粋やしきたりを今に伝える老舗。
広い店内は女性の心を魅了する和のステーショナリーが多く取り揃えています。 中でも、江戸時代の絵師、歌川広重、葛飾北斎の代表作を施した『浮世絵アドレスブック』は、金箔をふんだんに使用したまばゆい装幀です。 大切な方の情報を書き留めておくなど、日本橋美人としての活用範囲が広がりそうな、美しい一品です。 浮世絵アドレスブック 2,100円 住所 日本橋2-7-6 電話 03-3272-3801 営業時間 10:00〜18:30/土曜・日曜 10:00〜17:00 定休日 祝日 MAP5
明治2(1869)年に創業の洋書販売の老舗ですが、オリジナル文具も手掛けています。品質や製本にこだわった『ダックノート』は、熟練職人の技術の結晶ともいえる手作りの逸品。ダックとは装幀に使われている帆布のこと。辞書などに使われる「本かがり」という製本方法は、型くずれが少なく背が割れないので長く使えます。
本文紙のフルース紙は、インクが滲まず万年筆の書き味もスムーズですので、日本橋美人必携のノートです。 横罫6ミリ 1,575円 方眼8ミリ 2,730円 横罫7.5ミリ 2,100円 無 地 3,150円 住所 日本橋2-3-10 電話 03-6214-2001 営業時間 9:30〜20:30 定休日 年始除き無休 MAP31
ユニークな店舗が並ぶ八重洲地下街にある「丹青堂」では、書画材を豊富に取り扱っています。
呉竹の『フェイス透明水彩セット』は高品質な固形透明水彩絵の具14色と、便利な水筆ぺん、ドローイングペンがコンパクトにまとまっています。絵の具の顔料が均一で色を混ぜても濁らず、携帯しやすいサイズです。散歩や旅行のお供にいかがですか。 感じるままに絵筆を走らせた素敵な絵手紙で、日本橋美人度もアップすることでしょう。 フェイス透明水彩セット 2,940円 住所 八重洲2-1 電話 03-3278-1157 営業時間 販売他10:00〜20:00/飲食9:00〜22:00(一部店舗で異なる) 定休日 元日 MAP7 今や仕事のみならず、プライベートでも、多くの人がパソコンで文書を作る時代になりました。自筆のお手紙をいただく機会が減り、少し寂しい思いをしていたところ、久しぶりに友人からのお手紙に、改めてパソコンで打ったものとの違いを感じました。そのお手紙は、柔らかい手触りの和紙でできた便箋で、季節の柄が控えめに入った上品なもの。丁寧に書かれた文字に、わざわざ私のために時間を作って手紙を書いてくれたのだと、心が温かくなりました。
「日本橋美人」より抜粋 |
||||||||||||||||||||||
|