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日本橋トップインタビュー

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日本橋美人新聞No.21秋冬号(2010年)掲載
美人は日本橋で創られる

中央区長 矢田美英

 
インタビューアー:山田 晃子
NPO法人 東京中央ネット 副理事長
日本橋美人推進協議会 プロデューサー
日本江戸クラフト協会 総合プロデューサー
ヤマダクリエイティブ代表取締役

日本橋と日本橋美人について


中央区長 矢田美英
1940年6月2日生まれ
1987年〜 中央区長に就任
好きな言葉…
真実は自由な話し合いの中から生まれる。
山田 本日は矢田美英中央区長をお訪ねし、日本橋と日本橋美人についてお話を伺います。区長は中央区のご出身で、1987(昭和62)年の初当選から現在まで、連続6期にわたり要職を勤めていらっしゃいます。中央区と日本橋の現状と今後について、お聞かせいただけますか。
区長 中央区は首都東京の中心、日本のまさにど真ん中に位置しております。その象徴が日本国道路元標が置かれている名橋「日本橋」です。
歴史的にみても、1603(慶長8)年に徳川家康公が江戸に幕府を開いた時から、日本の文化・商業・情報の中心として発展してきました。当然、これからも我が国を代表する都市として、日本をリードし世界に貢献していかねばなりません。その実力を本区は、名実ともに備えています。今年1月に発表された経済誌「日経グローカル」の調査では、何と本区は「全国都市サステナブル(持続可能性)度」で総合第一位という高い評価を得ました。特に「経済の豊かさ」と「社会安定度」では、他の自治体を大きく引き離していました。しかし、残念ながら「環境保全度」では、23区中18位と低迷していましたので、いま一生懸命、環境面に力を入れているところです。
 住民もどんどん増えております。平成9年ごろには、7万人を切るのではないかと思われましたが、現在は11万6200人以上に回復しています。昔から「人集まらずして繁栄なし」といいますが、何事も人です。特に30代、40代の働き盛りの方々に移り住んでいただいているのが大きな特徴です。日本橋地域なんかも、山田さんのように若くて元気いっぱいな方々が活動していて、区長としても頼もしい限りです(笑)。
山田 それだけ中央区に「魅力がある」ということですね。区長ご自身は、日本橋の魅力をどのように感じていらっしゃいますか。
区長 日本橋は何といっても、人が素晴らしいですね。きっぷがよくて格好も良い。一言でいえば、独特の雰囲気を譲し出す「日本橋人」ということです。まさに長い歴史と伝統が培って、出来上がったのでしょう。そして、町並みも素晴らしい。日本橋地域には日本銀行本店、三井本館、タカシマヤ東京店、名橋「日本橋」、清洲橋といった重要文化財や、三越本店、近三ビルヂング、常盤小学校、十思スクエア、三菱倉庫江戸橋倉庫ビル、両国橋などの都選定歴史的建造物もあります。そのほか、数多くの名所・旧跡が残る歴史と文化の薫り高い街です。
 また、街がハードとソフト両面で「渾然一体」となっているのも魅力ですね。1805(文化2)年に描かれた「熈代勝覧絵巻(きだいしょうらんえまき)」は、日本橋通り(神田今川橋から日本橋まで)を克明に描いた「日本橋繁盛絵巻」と言えます。ここに登場する1671人の男女と子どもたち、20匹の犬、13頭の馬、4頭の牛、1匹の猿、2羽の鷹。行商人から髪結い、金毘羅参りに至るまでその多種多様ぶりやユニークさは類を見ませんし、何時間でも眺めていられる面白さがありますね。日本橋には、これが描かれた約200年以上前から現在まで、この「渾然一体」の変わらない活気があります。
山田 2011(平成23)年の4月3日に現在の日本橋が創架100年を迎えるにあたり、日本橋地域に一段と活気が出ています。
区長 架橋100年を契機に、ますます日本橋は発展するでしょう。そこで、区としてもこれを記念し、日本橋のたもとにある「滝の広場」に船着場を整備します。日本橋川から隅田川に出て、上れば話題の東京スカイツリー、下れば羽田方面に行けるなど舟の利用が活発になるでしょう。
 本区の水域面積は、23区で最も大きく区全体の18.3%に達しており、まさに「水の都」と呼ぶにふさわしい都市です。かつては日本橋には魚河岸があり、舟運による物流がさかんで、日本橋川は運河のメインストリートでした。
 商業の中心として、400年以上輝いてきた日本橋を継承する魅力的な街づくりに、豊富な水辺を活用しない手はないというのが、私の考えです。
山田 区長ご自身の、日本橋のお気に入りスポットについて、教えてください。
区長 子どもの頃は、デパートのおもちゃ売り場が大好きでした(笑)。今はもっぱら食べ歩き、飲み歩きですね。(笑)。日本橋はグルメの街です。和食、洋食問わず各国の料理が幅広く味わえます。またカジュアルなお店から高級店まで、千差万別なのも魅力ですね。
 私は歩くのが好きなので、日本橋で会食しても新富町の自宅まで健康維持を兼ねて歩いて帰ります。街並みやライトアップされた景色など、昼も夜も見飽きません。銀ブラという言葉がありますが、山田さん「ブラリ日本橋」を流行らせたら(笑)。今年の「日本橋美人博覧会」では、みんなで「ブラリ日本橋」をして街を散策しましょう。

第3回日本橋美人博覧会

山田 「日本橋美人博覧会」は、パビリオンを建てずに、既存の名店、企業、ホテルなど新旧の建物が博覧会場となります。今年の第3回日本橋美人博覧会(2010年10月22日〜11月9日)は“江戸で彩る”をテーマに、江戸時代から培った伝統技術や歴史をテーマとした展示を行います。また、共催イベントや店舗フェア、ワークショップ、各種ラリーなど楽しいイベントが沢山あります。街ぐるみで協力し「中央区産業文化展(10月31日〜11月3日)」や「中央区まるごとミュージアム(10月31日)」とも連携して、開催します。
区長 渾然一体のますますのにぎわいが期待できそうで、今から楽しみですね。今回は、他区からのさまざまなご協力もいただいていると伺い、感謝しています。地域が率先してアイデアを出し、行政がバックアップするという理想の形は、嬉しくもまた、頼もしくも感じています。
山田 区長にとっての「日本橋美人」とは、どのような女性でしょうか。
区長 「日本橋美人」、素敵な響きですね。日本橋地域全体を自分の“舞台”として堂々と活動する女性。つまり、女優になったつもりで、一挙手一投足に気を配れる方…。日本には日本舞踊、茶道、華道、書道などさまざまな面で自分自身を磨く道がありますね。そんな方はますます人間として輝き、魅力的になります。「熈代勝覧絵巻」に描かれている女性は、元気で生き生きとして自分の個性を臆さずに出していますよね。
日本橋という、気品と風格がある” 本物“の街には、男女問わず「もどき」でない人間が育まれるのでしょう。そこで培われた本物の女性こそ「日本橋美人」と言えるのではないでしょうか。
山田 私たちも区長のおっしゃる「もどき」でない「本物の女性」を目指し、心身ともに美しく輝いていたいと思います。

撮影協力:ロイヤルパークホテル
衣裳協力:日本橋タカシマヤ 7階呉服サロン www.takashimaya.co.jp
着付協力:花影きもの塾 www.hanakagejyuku.jp
撮  影:吉川信之

ファッションポイント
訪問着:大羊居「武蔵野屏風」
江戸刺繍の名門"大羊居"の、秋の風物詩、十五夜をイメージした大胆な染め分けの訪問着。きものを一枚の画布に見立て、右肩から背にかけて大きく月を配し、左肩から裾には宵闇せまる初秋の情景を描いた作品です。
帯:龍村錦帯「威毛錦」
美術的価値の高さで知られる"龍村美術織物"の最高峰ブランド「錦帯」の帯。武将が陣中で着用した威毛は「矢も通さず万難を排す」という願いを込めた吉祥文様です。
※記事の組織名や肩書は掲載当時のものです。
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