HOME > 日本橋OLインタビュー > 花影きもの塾 塾長 須田久美子さん
日本橋美人新聞No.16夏秋号(2009年)掲載
インタビューアー:山田 晃子
日本橋美人推進協議会プロデューサー日本橋OLクラブ部会長 ヤマダクリエイティブ代表取締役
山田 今日は花影きもの塾の塾長、須田久美子さんをお招きし、日本橋と日本橋美人についてお話を伺います。
須田 私は、25年以上前から日本橋で呉服メーカーが主催するきもの教室の講師をしていましたが、2005年に独立し日本橋富沢町に着付け教室を開きました。 教室は「基礎科」「応用科」のコースから、資格取得できる「師範科・高等師範科」ほか「帯専科」など、多数の専門コースが揃っています。教材用のきもの、帯などを無料でお貸し出ししているので、手ぶらで通える気軽さや、フリータイム制なのでマイペースで学べるところなどが評判を戴いています。日本橋にお住まいやお勤めの方々が多く通われていらっしゃるのは嬉しい限りです。 当教室では、2005年に″心も身体も美しく″という日本橋美人のコンセプトに賛同し「日本橋美人講座(全4回)」という「日本橋美人商品」を設けてプロジェクトに参加しています。 山田 具体的にはどのような講座なのでしょう。 須田 日本橋美人講座は、初心者の方でも本格的な着付けを学べる短期集中講座です。本格的に着付けを学ばれたい方の、気軽な体験版としてもご利用されています。着付けの基本は体得ですので教本などはありません。ゆっくりと時間をかけて自分のペースで学んでいけばいいのです。 また、どのコースであっても着付けのみならず、着物を通して日本文化や和の心を伝授していくことを大切にしています。
山田 きものを通して日本橋と長く関わっていらっしゃる須田さんにとって、お気に入りのスポットはどんなところでしょう?
須田 お教室に向かうときに両国橋を渡りますが、そこから望む早朝の隅田川と日本橋の景観は都会のきりりとした美しさがあり大好きな風景です。小唄に「隅田川さえ棹さしゃ届く。何故に届かぬ胸のうち」とあります。日頃親しんだ私でさえ知らない綺麗な言葉や隅田川を題材にしたものも小唄には多く、その意味を考えたり、当時の情景を思い浮かべながら永代橋、新大橋、清洲橋などの橋を眺めるのもまた楽しいものです。 お使い物としては、軽く薄く食べやすい「三原堂本店」の「塩せんべい」、味はもちろんのこと見た目にもかわいらしく、お祝いの贈答品として喜ばれるのが「玉栄堂」の「玉饅」、「三廼舎」の「水饅頭」は大好きな逸品です。 日本橋美人商品は、日本橋の老舗の味がリーズナブルな値段で楽しめると、教室の生徒たちの間でも好評です。個人的には、山田さんの著書『日本橋美人─きれいを磨く34のエッセンス』に掲載されていた「山田流スペシャルドリンク」がヒントで生まれた千疋屋総本店の「日本橋美人SOYシェイク」がお薦めです。果物と豆乳の成分に女性を美しくする豊富な栄養素が感じられます。また、トラットリア・イタリア日本橋店の季節ごとに替わる「日本橋美人パスタ」や「日本橋美人ピッツァ」なども女性好みのバランスの良い食材が用いられているので気に入っています。 山田 働く女性にとって心と身体の健康は大切ですが、特に気をつけていらっしゃることはありますか。 須田 私の場合は、多くは生徒ですが、山田さんもたくさんの方々と接する機会があるのでお分かりでしょう。人と接するということは頭と身体、すなわちエネルギーを使いますよね。 良いエネルギーを人に与えるには、自分自身がストレスを溜めないように息抜きをすることが大切だと思っています。具体的には、趣味の小唄でリフレッシュしています。 また着付けは足腰が鍛えられますが、かなりの体力も消耗します。元気の源である、お肉を良く食べ体力をつけています。コラーゲンが豊富なので、美容にも良いですよね(笑)。
山田 きものの文化の中にはしきたりが多く、日常的に着るのをためらう方もいらっしゃいます。着る楽しさを知ればもっと身近になると思うのですが、アドバイスがあれば教えてください。
須田 あまり、きものの制約にとらわれず、まず好みの色や柄のきものから、試してみてはいかがでしょう。また、身近なゆかたから着てみるのもトライしやすいですね。山田さんがおっしゃるように、まず気軽に着るのを楽しむことから始めたら良いと思います。 また、最近の着付けを修得したい方々は、きものを着たいだけではなく、知りたい、そしてそれを通して日本文化を学びたいという傾向が感じられます。きものは嗜みや立居振舞が身につき、それが相手に対する思いやりに通じています。日本人の本来もっていた美意識などの本質的な良さを知ることが出来るのです。 山田 須田さんにとって「日本橋美人」とはどのような女性でしょう? 須田 内面的な美しさをもった女性は、いくつになっても輝いているものです。年月を重ねていくことによって美しさが増すような女性が私は「日本橋美人」だと思います。 山田 日々を積み重ねていくことで心身ともに美しく輝きを増していけるような、そんな素敵な女性でありたいですね。
撮影協力:ロイヤルパークホテル
衣裳協力:源氏物語・堀井 着付協力:花影きもの塾 撮 影:吉川信之 ファッションポイント 昨年と同様に涼感あふれる草花柄が主流。今年らしさは、粋にシンプルに涼やかに。 (右)黒地ベースのゆかたも白い撫子・露芝柄やボカシを取り入れエレガントで華やかに。落ち着いた半幅帯を合わせれば、優しい印象になります。 (左)明るい水色の絽の生地に、繊細な秋草を白く抜いた一色染の鮮やかなゆかた。白い帯で品の良さと涼感をアップします。 |
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