山田 きものの文化の中にはしきたりが多く、日常的に着るのをためらう方もいらっしゃいます。着る楽しさを知ればもっと身近になると思うのですが、アドバイスがあれば教えてください。
須田 あまり、きものの制約にとらわれず、まず好みの色や柄のきものから、試してみてはいかがでしょう。また、身近なゆかたから着てみるのもトライしやすいですね。山田さんがおっしゃるように、まず気軽に着るのを楽しむことから始めたら良いと思います。
また、最近の着付けを修得したい方々は、きものを着たいだけではなく、知りたい、そしてそれを通して日本文化を学びたいという傾向が感じられます。きものは嗜みや立居振舞が身につき、それが相手に対する思いやりに通じています。日本人の本来もっていた美意識などの本質的な良さを知ることが出来るのです。
山田 須田さんにとって「日本橋美人」とはどのような女性でしょう?
須田 内面的な美しさをもった女性は、いくつになっても輝いているものです。年月を重ねていくことによって美しさが増すような女性が私は「日本橋美人」だと思います。
山田 日々を積み重ねていくことで心身ともに美しく輝きを増していけるような、そんな素敵な女性でありたいですね。
撮影協力:ロイヤルパークホテル
衣裳協力:源氏物語・堀井
着付協力:花影きもの塾
撮 影:吉川信之
ファッションポイント
昨年と同様に涼感あふれる草花柄が主流。今年らしさは、粋にシンプルに涼やかに。
(右)黒地ベースのゆかたも白い撫子・露芝柄やボカシを取り入れエレガントで華やかに。落ち着いた半幅帯を合わせれば、優しい印象になります。
(左)明るい水色の絽の生地に、繊細な秋草を白く抜いた一色染の鮮やかなゆかた。白い帯で品の良さと涼感をアップします。