山田　今日は、八重洲地下街株式会社にお勤めの小澤知子さんをお招きし、日本橋と日本橋美人についてお話を伺います。
小澤　弊社は、東京駅中央口を地下に降りた所からＴ字に広がるエリアにあるショッピングモールと駐車場を運営しています。ヤエチカの愛称でも広く親しまれているこの八重洲地下街で私は、季節ごとのプロモーション、新店オープンの告知など販売促進を主に担当しています。会社の初代代表として八重洲を含む日本橋地域全体の活性化のために当地で働く女性で組織している「日本橋ＯＬクラブ」の活動をお手伝いしています。
山田　何かと話題の多い、八重洲再開発と八重洲地下街についてお聞かせいただけますか？
小澤　再開発については、ＪＲ東日本が「東京ステーションシティ」という名称で、新しい街並みを提案されています。２００７年秋にはグラントウキョウサウスタワーと大丸東京新店などが入ったノースタワーのツインタワーが竣工しました。今後、旧大丸のビルは取り壊され、低層デッキで結び駅前広場も整備し美しくなると聞いております。八重洲地下街では、近隣の企業にお勤めの方を中心とした、幅広い層の方々に気軽に楽しんでいただけるようなお店や環境づくりをテーマに、順次リニューアルを行っています。北エリアにはファッションアイテムや雑貨を集積したり、ジュースバーやスープ専門店などもオープンしています。南エリアには「マキシム・ド・パリ」の新業態のカフェバーができるなど、飲食店のバリエーションを充実させました。八重洲地下街は日本橋と東京駅と京橋を三角形で結ぶポイントに位置していますので、人々の往来の活性化についてダイナミックに考えて行きたいと思っています。
山田　企業として、何か地域のお手伝いをされていらっしゃることはありますか。　
小澤　八重洲地下街のメイン・アベニューは、毎秋開催の中央区観光商業まつりのオープニングセレモニーが行われています。また、２００７年８月にオリーブロード沿いに「ＥＤＯーTOKYO・ＹＡＥＳＵ ＨＩＳＴＯＲＹ」と銘打った陶板画を設置しました。八重洲の地名の由来となったヤン・ヨーステンを始め、江戸の賑わいを伝える屏風絵や、歌川広重が描く江戸名所などの、「江戸」から「東京」へと移りゆく八重洲・日本橋の歴史を紹介しています。通行される方もみな見入っていらっしゃいますね。

山田　お仕事柄、八重洲・日本橋界隈をよく歩いていらっしゃる小澤さんのおすすめのスポットはどんなところでしょう？
小澤　「山本海苔店」の「日本橋美人手巻き用焼きたて海苔」は、焼きたてならではの香りが美味しくおやつでもいただきます。「榮太樓總本鋪」の日本橋本店限定の「日本橋美人　さくら飴」は、ビタミンＣやクエン酸が入っているにもかかわらず刺激が少なく、滑らかで優しい口当たりが大変気に入っています。自分のデスクのキャンディボックスに常備しています。また、人形町の「甘酒横丁」や水天宮のほのぼのとした情緒が好きで、休日には遊びに行きます。健康を考えて「双葉」の豆乳を愛飲しています。
本日の撮影場所としてお邪魔したスペインバル「バル デ セラミカ」は、愛知万博で使われたタイルが内装に用いられているなど、ユニークなお店です。
山田　私も身体を気づかい、八重洲地下街の「ファンケルハウスJ」をよく利用します。働く女性にとって身体と心の健康は大切ですが、特に気をつけていらっしゃる事はありますか。
小澤　八重洲地下街の「カリス成城」で購入した、鎮静効果の高いローズマリーのアロマオイルをシャンプー時に利用し、ヘッドマッサージで心身の疲れを癒します。お食事や好きなワインのおつまみには、なるべく温野菜をいただきます。
一周すると1kmの地下街を何往復かするため、一日にお仕事として3kmぐらいはウォーキングしている計算になり、運動をしていない私にとっては一石二鳥です。
八重洲地下街は、平坦で歩きやすく天候も気にせずウインドウショッピングが出来ますので、運動不足の方には特にお勧めですね（笑）。

山田　先ほども「日本橋美人」＝「Japan Beauty from Edo-Tokyo」に通じる江戸文化を継承する陶板画のお話が出ましたが、ウォーキング中に江戸文化の香りが漂う陶板画をご覧になれるのは、素敵ですね。「日本橋美人」お勧めスポットが増えたといえます。
ところで小澤さんにとって、「日本橋美人」とはどんな女性でしょう？
小澤　日ごろから多種多様な店舗とお付き合いする中で学んだことは、異質なものや考えを否定せず受け入れる度量や許容力が大切だということです。また、忙しいとつい感情が表に出がちですが、それをセーブし、同じコミュニティの中で他者に不快な思いをさせない気遣いが必要ではないでしょうか。「日本橋美人」とは、そのような事ができる均衡のとれた女性だと思います。
山田　「日本橋美人」も 「Japan Beauty from Edo-Tokyo」と訳して、江戸文化に学びつつ活動範囲が広がっています。
2007年6月には日本橋美人推進協議会が組織され、商品開発やこの新聞、ホームページで情報を発信する「日本橋美人プロジェクト」に加えて、11月からは新規事業「江戸日本橋観光めぐり」がスタートしています。同時に「2008日本橋美人博覧会」の事業計画化にも着手しました。
これらの事業によって、日本橋に継承されつづけている素晴らしい固有の文化を、「日本橋美人」という言葉を通じて、国内外に発信していきたいと思います。
バランス感覚に優れた「日本橋美人」を目指し、真の粋（クール）な女性として心身ともに輝いていたいですね。