山田 今日は、株式会社建設技術研究所のシンクタンクである国土文化研究所にお勤めの今西由美さんをお招きし、日本橋と日本橋美人についてお話を伺います。
今西 国土文化研究所にあまりなじみのない方もいらっしゃると思います。(株)建設技術研究所は、社会資本整備の調査・計画・設計を通して事業支援を行っている企業です。国土文化研究所は社内のシンクタンク的役割を担い、インフラ整備の新しい考え方や、文化財を通して日本人の心を表現するような本も発行しています。1970年代初頭から日本橋に本社を移し、地域とともに社会の基盤形成に取り組んで行きたいと考えてきました。私は、新規事業開拓のための研究や、地域活動を通した都市の研究に携わっており、その一環として、日本橋活性化のために当地で働く女性で組織している「日本橋OLクラブ」の活動を5年前からお手伝いしています。
山田 日本橋美人プロジェクトのさらなる飛躍を目指し、2007年6月に「日本橋美人推進協議会」が立ち上がり、日本橋美人プロジェクトの活動範囲がますます広がってきています。御社も、この新しい活動に参加されていますね。
今西 「日本橋美人推進協議会」の活動に少しでもお力添えできればと考え、その活動の一環である「江戸日本橋観光めぐり事務局」を2007年8月に弊社内に立ち上げました。地元企業にお勤めの方や市民ボランティアの方々を観光ガイドのメンバーとして広く募り、日本橋を訪れる人に観光や文化の案内を行う予定です。ご興味のある方は「江戸日本橋観光めぐり事務局」にお問い合わせいただきたいと思います。
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http://www.tokyochuo.net/edo-nihombashi/index.htmlTEL03・3668・0390)
山田 歴史と伝統のある日本橋で”心も身体も美しく“というコンセプトで、今年の7月から「JAL東京ストーリー/日本橋美人になろう」というツアーが展開されています。これにより、日本橋美人商品のバリエーションがさらに広がりました。日本橋美人プロジェクトでは、多彩な日本橋美人商品の提供を。また11月からは日本橋料飲組合でも協力してくれるなど、全国29都市からツアーに参加される方々を支援しています。
今西 弊社の「江戸日本橋観光めぐり事務局」では、このツアーで日本橋観光や日本橋美人商品案内などのお手伝いをすることで、日本橋美人プロジェクトに参画します。11月から月に2回行う予定です。「日本橋美人推進協議会」のメンバーが積み上げてきた日本橋地域の情報を、訪れる人々のニーズに応えたさまざまな形で提供し、日本橋の魅力を伝えていきたいと思っています。日本橋美人プロジェクトとして、日本橋美人商品を実際に手にとって体験していただけるツアーや、日本橋地域の史跡めぐり等、日本橋の案内を定期的に催していきたいと考えています。
山田 日本橋川など都市の水に関わる研究をされながら、生活面でもお水に気をつけていらっしゃるんですね。そんな今西さんにとって「日本橋美人」とは、どんな女性でしょう?
今西 「日本橋美人」のイメージは、外見の美しさだけでなく、内面を磨き、どんな時でも臨機応変に対応できるような女性だと思います。幕末に江戸を訪れた欧米人が称賛した自然美には、緑豊かなガーデンシティと水辺の風景がありました。江戸の町は、かつては東洋のベニスと呼ばれ、水運が発達し、川の水も澄んでいました。戦後、都市開発でそうした川の多くが失われてしまいましたが、残された日本橋川をはじめとする川を昔の美しい姿に戻そうという動きがあり、これを”川美人“という言葉で表現しているそうです。江戸の美を現代に継承する「日本橋美人」に一脈相通じるものがあると思っています。
山田 「日本橋美人」を 「Japan Beauty from Edo-Tokyo」と訳したように、「日本橋美人ブランド」の根底にある江戸文化の素晴らしさを伝承し、世界に発信して行きたいですね。そして真の粋(クール)な女性を目指し、心身ともに輝き続けたいですね。
撮影協力:ロイヤルパークホテル