山田　今日は三井不動産株式会社にお勤めの岡水恵弥さんをお招きして、日本橋と日本橋美人についてお話を伺います。
岡水　私は三井不動産株式会社で広報部に属し、女性誌やタウン誌、テレビなどのメディアに、弊社の事業をピーアールしています。中でも力を入れているのが、日本橋の活性化を目的としたプロジェクトと日本橋地域の認知拡大です。また、地域活性化のために日本橋で働く女性で組織している「日本橋OLクラブ」の一員として、その活動や「日本橋美人プロジェクト」についても紹介しています。
山田　皆様のご評価などはいかがでしょうか。
岡水　「心も身体も美しく」というテーマで、老舗とのコラボレーションや女性の視点で美と健康をテーマに作られた「日本橋美人商品」は、新しい試みだと好評をいただいております。
日本橋美人商品は、日本橋の情報発信拠点として弊社が企画しました「三井越後屋ステーション（2005年10月〜2006年3月）」でも、売り切れが続出する人気商品でした。ここには毎日約3千人もの来場があり、オープンからクローズまでの半年足らずで約50万人もの方に訪れていただきました。「日本橋に初めて来た」という若い世代の方も多く、情報発信の大切さを改めて感じました。多面な街の魅力を、より多くの方に知っていただきたいです。
今後の予定としては、三井越後屋ステーション跡地に、とてもユニークなイベントを計画中ですのでご期待ください。さらに、三井越後屋ステーションも生まれ変わって再オープンする予定ですのでお楽しみに。日本橋ファンを増やすべく、街に人が集まる仕掛けを地元の皆様と考えていきたいと思っています。
山田　ところで、岡水さんご自身がお感じになられている日本橋の街の魅力をお聞かせください。　
岡水　やはり古き良きものと、現代の良いものを融合させているところではないでしょうか。
何百年も前からの伝統文化が残る一方で、古くからあるものを現代的な感性でよみがえらせたり、江戸時代から変わらない味を守る老舗と新進気鋭の名店も質の追求という点で共存していたりします。一過性・流行型のエンターテインメントではなく、日本人である私たちの心身に深い喜びを感じさせてくれるのが日本橋の最大の魅力だと思います。
山田　新旧の良さがあふれている日本橋の中で、岡水さんのお気に入りのスポットはどんなところでしょう。
岡水　職場である三井本館近辺が多いですが、天気が良い日にお弁当を買って三越の屋上で食べるのは日本橋のOL風で気に入ってます。それから、夕暮れ時にライトアップされる歴史ある建物の美しさや、6ツ星ホテルとなった「マンダリンオリエンタル東京」からの都会的な眺望も好きです。その他、多様なグルメが楽しめるのも日本橋の魅力。例えばステーキの「レストランせいとう」や「レストラン桂」などはひと頑張りしたいときに。イタリアンレストランの「ラ・ベットラ　ペル　トゥッティ」や「フェア・ドマ」は、のんびりしたいときに訪れます。特に、山田さんの著書「日本橋美人」でも取り上げていらっしゃる「千疋屋総本店」の「日本橋美人SOYシェイク」は、美味しくデトックスをしたいときに一押しです。ショッピングにも便利な街ですが、贈り物ならCOREDO日本橋3Fの「セレンディピティ」か、日本橋ならではの老舗で個性のあるものを選ぶようにしています。「木屋」のおむすびの木型をプレゼントしたときには、とても喜ばれました。便箋なども「有便堂」や「小津和紙」「はいばら」といった老舗で選ぶと、素敵な手紙が書けそうな気がします。

山田　働く女性にとって身体と心の健康は大切ですが、特に気をつけていらっしゃることはありますか？
岡水　五感をバランスよく働かせて、サビつかないようにすることを心掛けています。日常の中で、観る、聴く、味わう、触れる、香るといったようにまんべんなく楽しみたいですね。
日本橋には、五感を楽しませてくれるものが揃っているので、気分を変えたいときやわくわくしたいときには街を歩くのが私の健康法です。
山田　日本橋ある素晴らしい要素が「日本橋美人」を創り出すと思いますが、岡水さんがイメージされるのはどのような女性ですか。
岡水　外見を着飾ることよりも、内面の美しさを追求する女性だと思います。よいもの、美しいものを無理なく日常に取り入れている女性。知的好奇心が旺盛で、自分が感じた喜びを他の人と共有できる。ナチュラルなのに、どこか凛としたオーラが出ているというのが「日本橋美人」のイメージです。

山田　御社の新しい取り組みでは、日本特有の価値「JAPAN VALUE」をキーワードにしていると伺いました。どのようなことをされているのですか。
岡水　弊社では、2003年4月に「日本橋街づくり推進部」というプロジェクトチームを発足し、日本橋地域の活性化への取り組みを本格化しました。日本橋から世界へ向けてJAPAN VALUE、即ち新旧にわたる日本の価値を発信していくために、日本に古くからある伝統文化と新しい文化の融合を地域の皆様と共に模索しています。日本橋から日本全体をバリューアップさせることを目標に、土地の記憶を残し、美しい街並みをよみがえらせながら、街に新しい機能を創造していきたいと考えています。
山田　日本橋は歴史も文化もありながら、常に新しいものと融合してきた豊かな街だと言われています。魅力ある街には魅力的な人が集い、魅力的な人が集う街には魅力がある…日本橋の良さは、こういったところにも表れています。
私たちも魅力あふれる「日本橋美人」を目指し心身ともに輝ける女性でありたいですね。