山田　今日は東レ株式会社にお勤めの幼方聡子さんをお招きして、日本橋と日本橋美人についてのお話を伺います。
幼方　私は、地域活性化のために日本橋で働く女性で組織している「日本橋OLクラブ」の設立当初から、会員として活動をお手伝いしています。東レ株式会社の宣伝室に勤務していて、企業が行っている企業宣伝の運営や個々の商品宣伝戦略の立案など、多岐に渡った仕事をしております。入社してから4年半の大阪本社勤務を経て、日本橋の東京本社の配属になり15年たちます。
山田　平成17（2005）年11月に中央区日本橋室町2丁目の日本橋三井タワーが完成して御社もそこに移られました。大変に美しい眺望と伺っていますがいかがですか？
幼方　私の職場は25階にあり西側に位置していますので、皇居の向こうに新宿が見え、晴れた日は遠くに富士山が眺められたりもします。また東側には高い建物があまりないので、美しい夜景にはいつも感動しています。
山田　その日本橋三井タワーの地下1階にできた「東レショップ」は、どのようなお店でしょうか？
幼方　基本的には東レ関連商品を売るお店ですが、それ以外にもハンカチ、タオルやストッキングといった近隣で働く女性が必要とするファッション雑貨のようなものも置いています。
山田　幼方さんはお仕事柄、お洋服には気を遣われていると思いますが、どんなことをポイントに選ばれていらっしゃいますか？
幼方　素材を重視して選び、着回しが利くもので比較的ベーシックなものが中心です。また、決まった色の服が多いので、似たような印象にならないように小物など洋服以外のものでアクセントをつけるようにしています。
山田　お洒落な方は小物使いが上手ですが、気をつけるポイントをアドバイスしてください。
幼方　小物を考える時は、顔回りと手もとの2カ所のバランスに気をつけています。顔回りのアクセサリーには、引き算のルールがあると思います。たとえば今日のように下がるタイプのピアスをしているときは、ネックレスは控えめなものという具合に。どちらも存在感がありすぎると、くどい印象になってしまいますから。また会議など胸から上しか見えない状態では、手元に目がいくので、爪のお手入れなどは手を抜かないよう心がけています。その他にもつけただけで華やかになるコサージュや存在感のあるベルトにも気を配っています。日本橋三越や日本橋高島屋で、バックルや本体が何種類もあり、自分のオリジナルのベルトをつくるお店を見かけました。一本のベルトでバックルを替えたり、シチュエーションに合わせて使い分ければ、着こなしにも変化がつけやすいと思います。また、ロングのネックレスを、昼間は首につけ夜には腰に巻いてみるなど、アイテムの使い方を限定しないで見せ方を変えると、バリエーションのある着こなしが楽しめると思います。
山田　TPOに合わせたファッションであれば固定観念にとらわれることなく、ある程度遊び心があるスタイルをしてもいいということですね。ただ、時にはプロのアドバイスを受けたいと思われる方もいらっしゃると思いますが、日本橋三越にある「TOREXショップ」ではセミオーダーできると伺いましたが。
幼方　レディスを主体としたパターンオーダーを扱っている、弊社の素材を中心としたアパレルショップです。シーズンごとに50種類以上の生地を揃え、豊富なサンプルの中から素材やデザイン、さらにボタンや襟の形なども選ぶことができます。熟練したスタッフが店頭で、お客様の体型の特徴を把握して採寸します。お客様にきっとご満足戴けるものをお作りできるお店ですので、ファッションに関してもご相談ください。またお値段もパターンオーダーでありながら既製服並みですので、ぜひご利用ください。

山田　働く女性にとって心と身体の健康は大切ですが、特に気をつけていらっしゃることはありますか？
幼方　犬と散歩に行くことと、ストレスをためないことですね。また、私は料理が好きなのであまり外食をせず、遅く帰っても自分で作るようにしています。特に素材で気を遣っていることは、肉よりも魚を中心にして、青い野菜は毎日欠かさず食べ、青汁も飲んでいます。他にはリフレッシュを兼ねて、会社の帰りにセレンディピティのネイルサロン「La Couronne」に行くこともあります。お値段が比較的リーズナブルで、手早くやってくれるところが気に入っています。
山田　ところで、会社のある日本橋室町周辺で過ごされることが多いと思いますが、幼方さんのお気に入りはどんなところでしょう。
幼方　会社でのお遣い物は日本橋三越、日本橋高島屋、千疋屋総本店、マンダリンホテルのショップが多いですね。プライベートのお買い物も日本橋三越、日本橋高島屋、コレド日本橋などです。たいていはその3軒で自分の欲しいものが揃ってしまいますし、効率良くお買い物ができます。このような日本橋という街の利便性が気に入り、休日に来ることもあります。また、時々会社の人たちと食事に行くのは、居酒屋の「魚魯魚魯」、豆腐料理屋「がんも亭」、あと釜飯の「寿保羅」、イタリアンの「キャンティ」などです。他には、日本銀行の前にある弊社の社員クラブにも行きますね。そこは、お昼は一般の方にもご利用戴けます。どれも会社から近く、気軽に行けるところばかりです。やはり日本橋は落ち着きますし、地方からの出張者にも人気があります。

山田　私たち日本橋OLクラブが「日本橋美人」という言葉を提唱し、日本橋活性化の一助として広めていこうとしている「日本橋美人プロジェクト」が進行中ですが、幼方さんがイメージされる日本橋美人とは、どんな女性でしょう？
幼方　仕事とプライベートのオンとオフが上手に切り換えることのできる女性。自分なりのトレンドを持ちつつ流行に流されることなく、それでいて流行も取り入れている女性、そのような女性が「日本橋美人」ではないでしょうか。
山田　オンでもオフでも、自分なりのマインドを持っている方は素敵ですね。そのようなカッコイイ女性は、はたから見てもきっと粋（クール）な美人に違いありません。日本橋は歴史も文化もありながら、常に新しいものと融合してきた豊かな街だと言われています。私たちもこの街の魅力にふれ、心身ともに輝ける女性でありたいですね。