夏休みの楽しい計画に気分が高揚するこの季節ですが、毎日の出勤や外出時の暑さには辟易してしまいますね。こんなときには、冷たいものを口にしたり、冷房の利いた場所で涼をとりたいものです。しかし、実はこうした誘惑が、美容と健康の大敵なのです。
身体やお肌は、自分の置かれている環境に適応するために、汗をかいて体温を一定に保つなど、さまざまな調整を行っています。しかし、外気や体内の急な温度変化が繰り返されると、適応力が弱まり調整機能がうまく働かなくなります。こうなると、体力の消耗、エネルギー不足、抵抗力低下等、身体への悪影響が表れるのです。また、疲れやだるさを感じやすくなるので、美の要素でもある明るい表情が失われてしまうことにもなりかねません。この適応力や抵抗力が弱まった状態を、中医学では「衛気(えき)」が消耗され、「邪気(じゃき)」が入りやすい状態とみます。さらに、身体の機能が低下して一度冷え体質が作られると、身体は季節の変化にも対応できなくなります。また、血液の流れが悪くなり、生理痛や肩こりなどの痛みに悩まされたり、お肌のくすみやしみ等が作られる原因にもなります。ですから、冷え体質を作らないように心がけることが大切なのです。 とはいえ、仕事や人とのお付き合いがある中で、冷房の利いた屋内でまったく過ごさないようにするわけにもいきませんね。また、冷たいビールやアイスコーヒーも、暑い夏の楽しみのひとつです。そこで、心がけたいのは「冷たいもの」をとった後は「温かいもの」で補うこと。冷え体質にならないようにするためには、このポイントをおさえるだけで十分なのです。例えば、冷たいビールを飲んだら、温かい食事やお茶をいただくようにすると効果的です。また、冷房が利きすぎた屋内にいるときは、暑い屋外とのギャップを身体に感じさせないために、カーディガンを羽織るなど着るものに工夫をして、身体の内と外から働きかけることが大切です。真の「粋(=クール)な日本橋美人」を目指して、この夏は「冷やしすぎない」を実践してみましょう。 |
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