東京のきもの文化を支えて100年
明治40年、「東京呉服太物同業組合」として発足した「東京織物小売協同組合」が創立100周年を迎え、20日、ロイヤルパークホテルで記念式典が開催された。
会場に参列した組合員は和服を着用して楚々とした空気が流れた。
式典は秋田副理事長の司会で進行。理事長の直江一雄氏は挨拶で、当初は日本橋白木屋の先導で始まった組合も、百貨店との確執の中から百貨店法を、さらにスーパーの進出には大店舗規制法で対応。また戦争の時には統制経済で存亡の危機に瀕したことも、と歴史を説明。「今日はグローバル化の難しい時代で使命を問われている」が、事務所が再開発によって財政的基盤を確立できたとして「共生の道をさぐり、きもの文化振興のために精進したい」と決意を明らかにした。
東織会の功労者15名を代表して市田の古結俊博氏に感謝状を授与。また再開発に尽力した前理事長の服部良弘氏にも感謝状が贈られた。
来賓を代表して深谷代議士は「会場に入って何より嬉しいのは圧倒的な人が着物を着ていることです」と和服PRを率先して示していることを高く評価し、「100年の時代を乗りこえてきた実績で、一層団結してほしい」と組合の発展に期待を寄せた。
矢田区長は「和装はほのぼのとして、きりっとした印象を与える」として「きもの文化」の振興を祈念した。
東京織物卸商業組合の瀬川健治理事長は「私たちが父親と仰ぎ見ている存在」として更なる精進を期待。当日は大阪、京都、名古屋の組合から7名が列席し、代表して京都織物小売協同組合の岩田昌治理事長が「ひと口に100年と言っても並大抵なことではなく重みのあることで、私どもの目標にして行きたい」と挨拶した。
東織会代表の田原正八氏が乾杯の音頭をとり祝賀会に移った。祝儀にト{サンズイに余}善祥の中国琵琶の演奏があり、立石副理事長の閉会挨拶で終了した。 |