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■ 11月12日発行  このページの先頭へ
豊洲の土壌汚染で再び本格調査
10メートルメッシュで4100点
 築地市場の移転先・豊洲の土壌汚染について東京都は、専門家会議(座長=平田健正和歌山大教授)を設置して調査をすすめている。10月6日に開かれた同会議(第4回)で、環境基準の最大1000倍の有害化学物質ベンゼンが検出されたことを明らかにした。この結果について同会議は「ベンゼンが少ないであろうと想定していた場所から高濃度のベンゼンが確認されたことで、他の場所でも出るという懸念があり、追加調査の必要性を感じた」「東京瓦斯が行った調査と今回調査では、地下水を採取した場所が違うということはあるにせよ、揮発性物質の取り残しがあることが問題。今後、10メートル×10メートルの範囲で追加調査を行って、調査対象外としていた道路下についても調査する」との考え方を示した。さらに今月5日に開かれた第5回専門家会議では「新たに10メートル箇所を調査する。その結果、環境基準をこえる汚染物質が検出された場合、新しい対策のための調査を実施する」との方針を明らかにした。詳細調査は来年4月末までで、要する費用は十五億円を見込んでいる。高濃度の汚染程度によってはいかなる防止法が可能なのか、築地での再整備、別天地への移転などの論議のおこることも予測されている。

<調査結果について>
 前回(第4回)までに間に合わなかった油汚染状況や、ベンゾ(a)ビレンが土壌で5.1mg/kgというのは、高い数値であるが、直ちに害を及ぼすものではない。これについてはガイドライン等はないが、今後リスク評価を行っていく。
<東京ガス豊洲工場の土地利用について>
 当該地の土質からすると、東京ガス操業時に地表に置かれたタールスラッジ(油性の汚泥)から地下に浸透していった可能性は考えられる。今後より詳細な調査が必要となる。
<土壌・地下水の詳細調査計画について>
 地下水および東京ガス操業時の地盤面下の土壌の汚染状況を把握するため、新たに10メートルメッシュにより約4,100箇所を調査する。調査の結果、環境基準の10倍を超える汚染物質が検出された場合、対策を行うための調査をさらに実施する。
 対策法については、(最初の段階で方法を固めてしまうのではなく)調査を進めながら対策を考えていく方が効果的である。
 以上の調査結果と対策について傍聴人から次のような質問が出され、委員と都はそれぞれを説明した。
今後の詳細結果については、10メートルメッシュで不透水層もふくめてやる必要があるのではないか。
 「不透水層もふくめた調査は考えていない」
環境基準の10倍未満のものは処理しないというのはおかしいのではないか。
 「リスクを全て除去するのではなく、リスク管理をしていくとの考え方のもと、地下水の管理を行っていく」
調査については、第三者のクロスチェックが必要ではないか。
 「今後の調査の中で検討していく」
ベンゾ(a)ピレンは全て調査をやる必要があるのではないか。
 「ベンゼン高濃度の箇所で調査をやっていく」
先日の台風の3日後に現地を見たら、水浸しの状況だった。地下水自体が上がっていると考えられるのではないか。
 「今回の調査結果で、地下水位が高めとなっているところについても汚染物質は出ていない」
他の事例では、不透水層をを突き抜けて汚染が広がっている事例もある。不透水層の上面だけでなく、代表的地点については、10メートル、20メートル下まで調整をお願いしたい
 「不透水面の上面までで十分と考えている」
直下型地震(東京湾北部地震)で液状化する恐れはあるのか、ないのか。ある場合、どのような対策が可能なのか。
 「液状化の可能性についての調査は今回の調査に入っていない。別途、その調査は必要と考えている」
 東京都「液状化については平成18年に調査を実施している。対策については、都で統一的な基準を持っており、それに基いた対策を行っていく」
 
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