人形町1丁目芳人町会(柴田修会長)の恒例行事、夏期納涼セミナーが8月30日、人形町センタービル会議室で開催された。セミナーは14回目。
今回の講師は2人で、中央保健所生活衛生課の山崎主査が家庭での食品衛生対策○×クイズ形式でわかりやすく説明した。
続いて町内の「小春軒」3代目の小島幹男氏が、「洋食屋だって歴史がある」と題して、秘話を交えての史話を講演。独特のユーモアを交えた軽妙洒脱な語り口に聴衆も引き込まれていた。
小春軒は明治45年に初代種三郎氏が人形町に創業した西洋料理店。今年で95年目を迎えた。小島幹男氏は3代目で、子息の4代目と店を盛り立て、人形町の名物店として知られる。初代は、築地の精養軒のパン焼き見習いから始めて、山県有朋の屋敷(今の椿山荘)にも奉公するなど時代に沿った西洋料理に巡り会う幸運に恵まれ小春軒の基礎となる。
創業から今日まで、関東大震災で店舗を焼失、大東亜戦争の物価統制令で商売が難しくなり、強制疎開で店を壊されるなど苦難をこえ、2代、3代と暖簾を重ねてきた。3代目の幹男氏は「孫が成長して5代目となり、3世代で共に厨房に立つことが夢」と語って、講演を結んだ。 |