三島由紀夫の名作『橋づくし』を堪能したうえで、その舞台となった橋を巡り歩いてみるというユニークな企画を新富商栄会(恩田和雄会長)が打ち出した。
9月15日(土)午後2時から新富町の日本印刷会館2階で講演と朗読の会を開催。「旅行読売」に「名作の舞台を訪ねる」を連載している作家の井上明久氏が、三島文学に見る新富町界隈と橋づくしのテーマで講演。次いでNPO日本朗読人協会の石原広子さんらが名作を朗読、このあと井上氏の案内で橋めぐりを実施する。
名作「橋づくし」は、新橋料亭の娘と芸者や女中ら4人が「同じ道を通らずに7つの橋を渡り切れば願い事がかなう」という「橋づくし」に挑戦する物語。中央区役所前の三吉橋がスタート。「三叉の二辺を渡ると1つの橋で2つ渡ったことになる」といった橋の特色を生かし、且つ水の流れていた築地川と本願寺あたりの今は失われた情景を三島特有のエロティズこめて描いている。
問い合せTEL3553・2391。
なおポスターも貼り出されているが扱われている作品が鏑木清方の「新富町」で、三島の作品にかなっていると、評判だ。作品は新潮文庫の「花ざかりの森」に収められている。 |