問われる政党の存在
そのあり方を糺す時
参院選投票日の3日前、7月26日(木)午後6時から中央区で2つの個人演説会が開かれた。自民党の保坂候補は月島社会教育会館ホールに、定数が埋まって補助イスを出すほどの盛況ぶり。民主党の鈴木候補は築地本願寺の第2伝道会館で開催したものの出席者は50名足らず。
この状況を目の前にして、少なくとも保坂氏の落選は予想できないはず。しかし衆院選でも同じ経験をして深谷氏は落選の憂き目をみている。
投票率は決して低くはないし、4月区議選と同じ水準であった。このことからも、新住民の投票動向が注目される結果だった。
民主党はマスコミのあおる風に乗って2人の議席を確保した。自民党は新人を当選させたものの、大物、保坂氏を失った。いわば逆風をもろに受ける形となってしまった。選挙が始まる前から、自民党が2人を公認した時から保坂陣営には危機感がただよっていた。相次ぐ安倍内閣の不祥事がそれに輪をかけた。それに前回140万票を得ていることから「大丈夫」という安心感を誰もが持つことへの危機意識もあった。そういう票が新人女性の知名度で流れたことは否めない。それにしても参議院の自民党は東京をよく知り抜いている大物を失ったことは大きい。
年金問題という国民生活の保障に関する重大事が浮上したこと、改革と言いながら全国の自治体では存続が危ぶまれるほど商業も産業も疲れ切っている現状、明るみに出ると必ず隠す政治資金の構造的問題こうした現状から国民は自民党にいらだちを覚えたことは事実。
かとって安倍内閣に代って民主党が担い切れるかとなると心もとないのも実情。特に憲法、国際情勢になると、旧社会党を包括しているだけに方向は1つにまとまらないこと、目に見えている。
選挙そのものが質的に変わっていく時に、やはり政党はきちんと国民に情報を提供したうえで、党としての財源の裏づけある施策を常に明らかにしていくことで、幅広い選択肢が国民に与えられることになる。そうしたシステムを早急に定着していくべきであって、まかりまちがっても国会内権力争いに逸脱してはならないであろう。 |