東京都は今年1月に「小中学生の学力調査」を実施、その結果が12日に開かれた区議会の区民文教委員会(青木幸子委員長)で明らかにされた。調査の対象は小学5年生と中学2年生。
区の教育委員会は小学生について「全ての教科で正答率が77%を超え、都の正答率を大きく上回っている」としているのに対して、中学生については次のような問題を指摘している。
<全体の傾向>国語、社会が東京都の正答率を上回っているが、数学、英語、理科および問題解決能力等で都の正答率を下回っている。また、都の正答率を下回っている教科等を内容・観点別にみると特に理科の「観察・実験の技能・表現」が3.8ポイント問題解決能力等の「表現する能力」が4.7ポイント、それぞれ都の正答率より下回っている。
<国語>全体の正答率は71.4%。観点別では「関心・意欲・態度」「話す・聞く能力」「書く能力」は70%を超えている。「言語についての知識・理解・技能」では69.4%、「読む能力」では64.6%と課題がみられる。特に、内容別の「読むこと」では、文章の構成や展開を正確にとらえ内容を理解することに課題が。
<数学>全体の正答率は69.5%。内容ごと及び観点ごとの正答率については、いずれの項目についても東京都の正答率を下回っている。内容別では、「数と式」「数量関係」の正答率が70%を超えているのに対し、「図形」は64.7%と正答率が低い。さらに観点別では、「数字的な見方・考え方」だけが49.2%と非常に低い。
<英語>全体の正答率は78.0%。内容別では「聞くこと」、観測点では「理解の能力」を除いたすべての項目で、東京都の正答率を下回っている。特に観測点の「表現の能力」は正答率が70%を下回り、課題がみられる。
<社会>全体の正答率は72.0%。観測別の正答率では「社会的な思考・判断」「社会的事象についての知識・理解」で2%以上、東京都の正答率を上回っている。しかし内容別の正答率では、「歴史的分野」が76.7%であるのに対して、「地理的分野」が67.4%と低い。また、「社会的な思考・判断」が65.0%と、他の観点に比べてやや正答率が低いことが課題である。
<理科>全体の正答率は67.6%。内容別及び観点別の正答率では「科学的思考」で都と同じだった以外は、すべての項目で都の平均を下回っている。特に内容別では、「第2分野」に比べて「第1分野」の正答率が低いこと、観点別では「観察・実験の技能・表現」の正答率が55.7%と、都の平均と同様に、他の観点より低く、課題に。
<問題解決能力>全体の正答率は73.3%と、都の正答率を0.1ポイント下回っている。観点別では、5つの観点のうち「適用・適用する力」が都の平均と同じだが、「表現する力」が4.7ポイント大きく下回っている。また、「意思決定する力」に関しても、都の正答率は上回っているものの、正答率の61.8%は課題に。 |