シルクロード終点は
奈良ではなく日本橋
民間のNPO団体などで組織する実行委員会が、シルクロードの十字路・キルギスを訪ねるエコ・カルチャーツアーを募集している。「キルギス―日本橋シルクロードブリッジ」を掲げ、「キルギスと日本は音楽回廊で結ばれている。シルクロードの終着駅はこれまで古都奈良のように言われてきたが、実はそうではなく、時空を超えたシルクロードの終着駅は中央区・日本橋」と提案、中央区・日本橋と中央アジアのキルギス共和国との交流を発展させようと訴えている。
呼びかけているのは、中央アジアのキルギス共和国文化省と日本の国際交流、バイオマス普及などに取り組むNPOなどで組織する「アジアの瞳サマーキャンプ&フェスティバル実行委員会」(事務局・NPOユーラシアクラブ=大野遼代表)
実行委員会では、多くの市民の参加を希望しているとともに、中央区・日本橋からキルギスへ訪問し、キルギスの楽器・コムズを含め、キルギスの演奏家と合同演奏していただける三味線演奏家を募集している。三味線演奏家の旅行経費は同実行委員会が負担する。
折りしも今年は、シルクロードの作家・井上靖の生誕100年。シルクロードの要衝としてキルギス・イシクル湖を訪れたいと願っていたが夢適わず他界した。井上靖さんの遺族も参加し、シルクロード詩集の一遍を現地で朗読する予定でキルギスの楽器・コムズと三味線、詩の朗読のコラボレーションを計画している。またエコカルチャーツアーの参加者に散文詩を募集し、シルクロード文学賞を贈る。
三越劇場で演奏会
実行委員会では、キルギスの交流イベントの一環として6月29日(金)、三越劇場で「キルギス―日本橋シルクロードブリッジ/アジア・シルクロードブリッジ」を開催、キルギスを初め、モンゴル、ウィグル、ネパールの弦楽器や笛、舞踊、中国の大三弦、沖縄の三線、薩摩琵琶、三味線(中央区のアーチストを募集)のさまざまなアジアの楽器のコンサートを開催、キルギス映画「白い豹の影」も上映される。
今回訪問し、映画の舞台でもあるイシクル湖の面積は琵琶湖の約9倍、透明度が高く湖底には都市が沈んでいるといわれている。バイオマスや自然エネルギーが重要になっているアジアの未来を見つめる「アジアの瞳」としてセミナーやビジネスも予定。天山山脈の氷河を望み、玄奘三蔵が歩いた湖岸を一周する。
ツアーは今年9月6日から同14日までで、井上さんの詩集朗読のほか、日本のたこ揚げなどの交流、現地の騎馬競技観戦や民族音楽の演奏会、民族料理など住民と交流をする。ユルクと呼ばれる組み立て式住宅にも泊まる。
参加費用は27万4千円。お申し込み・問合せは同クラブ、電話03(5351)5548。同クラブの活動状況はホームページ「ユーラシアホットライン」で。 |