東京都知事選は、3選を目指す石原知事へのマスコミのバッシングに始まり、しかし対する民主党が候補者を絞り切れずに、茨城県知事をつとめた浅野氏を担ぎ出した「勝手連」の思惑にひきずられる格好で土壇場に次々と候補者が出てくる、奇好な選挙戦となった。それにも関わらず投票率は前回をしのいで、叩かれたはずの石原知事は圧勝で、3選を果たした。
国政では野党で2大政党の一翼を担う民主党だが、石原都政のもとでは与党として都政を支えてきた。このことについての説明責任をしないで都知事選で反石原と言うことには最初から無理があったと多くの評者は指摘する。
浅野氏については、いわゆる「乗せられた」と多くの有権者は受けとめ、マスコミが当初、バッシングで期待した「反石原ブーム」は起こらなかった。
一方、石原陣営についていえば、2期目にして見られたトップダウン方式は、いくつかの都政で混乱を招き、反省を強いることになった。
中央区については、築地市場の移転が焦点になったが、この問題が鈴木都政からの課題であった歴史性を無視して反対か賛成かの論議をふりかざすことに、現場を知る関係者は違和感をもった。にもかかわらず、環状2号線を含めて、石原知事が率いる都政の進め方に不満をもつ都民の多いことも事実。中央区の投票率が前回より8ポイント増えているのに得票は前回の26,274とほとんど変りなかった。
石原 慎太郎 26,938(2,811,486)
浅野 史郎 14,487(1,693,328)
吉田 万三 4,298( 629,549)
黒川 紀章 2,103( 159,126)
ドクター・中松 864( 85,946) |