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■ 4月2日発行  このページの先頭へ
区議会「予算委員会」
各会派の総括質疑から
 平成19年度の各会計予算案は既報のとおり、3月定例区議会で原案どおり共産党の反対のみで可決された。予算案は区議会に設置された特別委員会で集中審議された。さらに3月14、15日は各会派の代表委員が自らの会派の立場からそれぞれの持ち時間の残りをあてて独自の質疑を展開した。各会派の代表による主な質疑をまとめた。

10年後の展望問う
 自民党(中嶋寛明委員) 定住人口10万達成に続いて区政60周年の節目を迎え、10年の中央区のビジョンをどのように考えているかを質問。区長は、30代の住民が増えて高令化率も下がるなか、子育て、介護の問題が当面の課題であるとし、またまちづくりについても日本橋、市場から水辺活用などをあげて、「これらの課題にとりくみながら光り輝く区を区議会と共に目指したい」と答えた。
 環境問題では、地球温暖化は人為的なこととの認識にたち「中央区の森」対策を評価しつつ、今後の対応について質した。区は「人の活動そのものから生じているので活動をコントロールすることが肝心。全ての人がその認識をもって活動することが必要」との考え方からPRにつとめること、中央区の森をさらに増やし、森林対策のためのバスツアーを開催するなどの施策を明らかにした。
 水辺活用の具体策を質問。区は、日本橋、朝潮運河に船着場を設置して、災害時の水上交通活用についても具体化していくと答弁。
 新住民とのコミュニティにも言及。区長は融合融和策として祭り、イベント、学校、スポーツなどあらゆる場を活用していく意欲を示した。

勝どき駅の改造を
 公明党(植原恭子委員) 下町で育くまれてきた良さを区は住民に発信していくべきだとの立場から埼玉が実施している「家庭の日」を紹介し区の考えを質した。区長は、全ては家庭が原点で、それが地域の広がりにつながっていくとの認識を明らかにした。
 相生の里に入居した高齢者が1年たって寂しがり、家に帰りたいと言っている実例を示して、話し合い相手のいないことが原因なので、ボランティアを拡大するようにと提案した。
 携帯電話の正しい利用を学校教育でとりあげているのかと質問。区は小学校の半分は利用している現状を示し、手引き書を作成して3月末まで教師に配布して指導を徹底していく方向を示した。
 家庭支援センターは、行政のタテ割にこだわらないで、あらゆる相談に応じるようにしてほしいと要望。
 晴海通りと交差する勝どき交差点について、「朝は車イスで通れないのが現状」と指摘して、抜本的な対策を求めた。吉田助役は、勝どき橋の改善が課題であるとの考えにもとづいて、オリンピックへの対応も必要となるので、ホームの改善について東京都と検討し、地元の意向も伝えると約束した。

福祉に公費負担を
 共産党(小栗智恵子委員) 区長の交際費について、千代田区はホームページで詳しく載せているとして透明性をつよく求めた。区長は「使いみちと透明性についてはきちんとやろうと言っている。改めるべきは改める」との考え方を示した。
 雇用問題連絡会議についてその意義について質した。区は、意見交換の場であり、雇用のニーズなど情報交換していくとともに、団塊の世代の雇用やニートの問題についても検討していくとの方向性を示した。
 区の豊かな財政をもって区の保育をもっと充実させるべきとの考え方を示すとともにキッズプラザを例にして、こんなに弾力化して大丈夫なのかと批判。区は「弾力化ではない。職員で担い切れない場合は区として是正を求めていく」との方向を示した。
 高齢者対策について、区内にいる867名の認知症の人たちを在宅で介護することも大切だが、「もっとグループホームを設置すべきだ」「しかし相生の里は月に20万円も要するので、普通のお年寄りは入所することもできないので、もっと公的支援をすべきだ」と主張した。

区長20年の成果は
 グループ未来(大塚忠彦委員)区議になった当初、先輩の大橋区議から「住民の要望には出来る出来ないをはっきり言うこと」、藤間議員からは「現場をふむこと」を教育されてきた、との体験を示したうえで、区長に「20年、区長をつとめてきた総括」を求めるとともに、これから4年でしたいことは何か、と質問した。
 区長は、「今期で引退することは同級生として、いささか寂しい。多くのご指導をいただき、多くの成果をあげることができ、感謝を申しあげたい」とし、その成果の中でも人口10万を達成したことを、「総合的施策によるもの」とし、且つて人の住いは郊外とされていた通念を変えた意義を強調。特養ゼロだった中央区で多くの福祉施設を実現できたこと等、各施策についての成果を例証した。特に築地市場については「私は都の方針に一度として賛成したことはない。400店ある場外の人たちが生き残れる施策を実現する」と述べた。日本橋の高速道路撤去では「4年後では無理だろうが、戦後大切なものを失ってきた、という考え方はこれからも大切にしていきたい」との考えを明らかにした。
 今後4年間については、真の日本人としての心をとりもどして「陽のさす時代を迎えたい」「全て、これからは住民参加型のまちづくりをさらにすすめていきたい」と、決意を明らかにした。

職員は町に出よう
 民主党・区民クラブ(渡部博年委員) 清掃事業のあり方について、「分担金が増えている、このままでいいのか」と疑問をはさんだ。区は、清掃工場が各区に出来るまで当分の間は一部組合でやる、売電会社で利益あがれば各区の負担軽減されていく」との方向を示した。しかし「区が主導権とれなかったことに問題があるのではないのか」との考えを示した。
 大規模開発で「エレベーターは街路」との考え方を示して新しい視点の必要を説いたが、区は「エレベーターは単なるハコで街路機能はない」と答弁。
 これに対して、下町の長屋に住む人の心を「どう生かしていくかの視点が住みよい町につながっていく。大きな開発だけがいいんじゃない」と反論した。
 地域でいろんな交流していく「小規模ネットワーク」を全体としてまとめていく方向を質した。
 区は、「住む人のいろんな思いをまとめて、基本計画の見直しに反映させたい」との方向を示した。
 行政のあり方について、外に出ていくことを妨げない運営の仕方が大切だとしたうえで「職域をこえて区民の声に耳を傾ける体制にしてほしいし、それが住民の目線に立つ姿勢につながっていく」と主張した。
 
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