佃島小学校の5年生76人が1日、佃2丁目の隅田川につながる川岸にアシを植えた。学校の近くを流れる隅田川について学ぶ授業の一環で実施されたもの。
河口付近で海水に浸される環境であるため、同じ環境にある大田区の東京湾野鳥公園で採取されたアシの地下経を使用した。これを潮の干潮に流されないよう、児童たちは手を泥だらけにして1人1枚の麻袋に、3株ずつ土とともに入れ、川岸の約10平方メートルの水辺に積んだ。
隅田川の河口に位置する佃島は、周囲にアシが群生し、そのため水質の良い川となって、江戸の昔はシラウオの漁として知られた。それを佃の漁民は将軍に御用達していたことでも有名だ。アシは全国各地の河川、潮沼、湿地帯に生育するイネ科の多年草。鳥や魚のすみか、産卵場所となり、水質浄化や護岸の保護にも役立っている。
区の職員が「4月下旬には芽を出します。隣の成長したアシは去年植えたものです」と説明すると、「芽が出たあと、麻袋はどうなるの」との質問が。「自然の素材で出来ていて、日が経つと腐って土に還るんです」の答えに、子どもたちは自然のリサイクルを自分の手と目で学ぶことになり「川がきれいになるんだね」と確認し合っていた。 |