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■ 3月12日発行  このページの先頭へ
区議会の一般質問から
 1日に開会した定例区議会の一般質問は、2日と5日の2日間にわたって行われ、各会派の代表が行政一般について区長ら理事者と議論を交わした。登壇した議員は次の各氏。自民党=鷲頭隆史▽公明党=田中公一、鈴木幸子▽共産党=小栗智恵子、藤田正五▽グループ未来=青木幸子▽民主党・区民クラブ=渡部博年。各議員の主な質疑のやりとりをまとめた。

鷲頭 隆史議員
 平成14年から19年の5年間で増えた人口は5万9千人、この間の転入は6万人、転出は4万2千人で住民の入れ替わりの激しいこと、増えた人口の1万5千世帯は単身であり、若年世代(25〜45歳)の出生率が少なく、世論調査では本区の住宅対策に対して満足度が低いこと、などから区の考えを質した。区長は、若者の増加で街は活況を呈し、世論調査の定住志向も8割を超えているとして「安心して住み続けられる」施策の展開を説いた。
 今の子育てで重要なことは「母親が育児に没頭できる環境づくり」と主張し、保育園への助成が年間200万を越え、家庭で育てられる子への支援はないとして「不公平感は否めない」と指摘した。区長の答弁は「在宅育児を支援する環境を充実することで対応したい」にとどまった。
 高層住宅でも携帯メール出来る対応策を求めた。

田中 公一議員
 高齢者の体験・知識を学校の部活動に「顧問等を派遣する制度の創設」を提案した。区長は「新年度から外部指導員制度を創設するので、高齢者にも登録を」と説明した。
 労働スクエア跡地に「健康増進を目的とした温水プール併設」を提案した。区長は、都は地下埋設の調査をして売却の意向としたうえで、6千平方メートル超える貴重な公有地なので、京橋地域の施設再編も含めて、「土地の購入を視野に入れ施設の内容についても検討する」と約束した。
 都が豊洲新市場の引渡し時点で、区は土壌汚染の処理が適正かどうかの情報を区民に公開すべきだ、と主張。区長は、東京がその処理は今年度中に終了の予定とし、その時に「しっかりと確認し、その情報を区民に分かりやすい説明を工夫する。土地取得後も食の安全については機会あるごとに都に質していく」との方向性を示した。

鈴木 幸子議員
 障害のある子どもの「特別支援教育」の実施にあたり、(1)担任まかせにしないで学校全体で取り組む(2)関係機関=学校・教育委・医療・福祉の連携で支える(3)専門性の高い教員の養成や配置(4)心身障害学級の充実へ教員を養護学校に派遣して充実を(5)児童の通学負担を軽減する、と提案した。教育長は各提案に改善の内容を説明した。
 子どもを思い切り遊ばせる効果を説き、大人中心の公園の改善と「ジャブジャブ池」の拡充を求めた。区長は、公園の改善例を示し、坂本、堀留には幼児向け施設を増設したと説明。ジャブジャブ池は月島第二の代替充実を示したが、新設については現在のところ困難と説明した。
 ペットが運動できる「ドッグラン」を日本橋にもと求めたが、区長は近隣への配慮などを指摘。再質問で隅田川テラスの活用なら可能ではないかと要望した。

小栗智恵子議員
 社会・体育教育を区長部局に移すなど教育委員会の独自性、独立性を弱めて、何をもって「教育の中央区」というのかと質問。区長は、体育館の冷暖房、土曜スクールの全校実施、都の学力調査で上位に位置しているなど教育水準の高さを指摘。
 中央区は都でトップレベルの財政力があるのだから、住友商事の開発に国と都で80億も補助金を出さずに、区の財政力を生かして「福祉の心で区民生活の向上に活かすべきだ」と主張した。
 無秩序なマンション建設に指導要綱で保育所の設置を求めるよう要求。区長は開発協力金などの要綱を説明するとともに、勝どき6丁目の高層住宅に保育所を開設(平成20年)と明かにした。
 マンションの耐震改修への助成制度の創設を求めた。区長は、新年度の住宅マスタープランに合わせ20年度実施を目指すと答えた。

藤田 正五議員
 区が取り組んできた、景気刺激策、共通買物券の「果たしている役割は大変重要」と評価したうえで、「区内共通買物券の予算の大幅な増額を検討するように」と求めた。区長は、発行額の増額について「プレミア分の3千万円について区が支出していることから、今後の景気動向を勘案しながら慎重に検討したい」と答えた。
 豊洲市場の土壌汚染について環境学会の報告が「最も不適切な場所」としたことについて区の見解を求めた。区長は「都の処理の報告内容をしっかりと確認したい」との考えを示した。また区の方針転換は「都のまともな回答がないまま移転やむ無しにした」との判断について質した。区長は「この方針転換は、土壌汚染を含む7つの疑問に対する都の回答をふまえなされたもの」「これまで区は築地市場の移転で都の方針を支持したことは一度もない」と解答した。

青木 幸子議員
 児童手当について所得制限の撤廃に向け緩和措置をとれないかと質問。区長は総合的な子育て支援策を充実させる中で検討すると答弁。所得制限したときの区の増加分は、約4億7千万円と説明。
  高層マンションの防災対策について、何を備蓄して何日間必要なのかのマニュアルがないことに言及。区長は、要綱の開発事業者との協議と指導で、管理組合に具体的に提案して住民向けパンフにも盛り込むと答弁。
 人口の増加で小学校の受け入れ体制は十分なのかと質した。教育長は、施設の狭隘化は避けられないので施設の改善や通学区域の弾力化を検討しているとし、また勝どき6丁目で来年2月から2千8百戸が入居を開始するのに対して豊海小の教室を増設することも明かにした。
 給食品の滞納に言及。教育長は小中校で15人、0.26%と非常に低いと答弁。

渡部 博年議員
 道路があるから歩道を付けるだけでなく、安全で楽しい意味を持たせて、地域との協働との考え方を取り入れるべきであると、今後のまちづくりの方向を主張した。築地市場や東京オリンピック誘致、環状2号線地上化など、地元区に回答も情報提供もしない都の姿勢に問題があるとして「中央区らしさをどう構築していくのか」と質問。区長は「上位計画との不整合は拡大している。中央区らしいまちづくりには協議型まちづくりが基本で区が主体で進める」との考えを示した。
 世代をこえて地域を活性化させていくには「小規模ネットワーク、様々な団体とのネットワークの構築、地域の人材発掘、サービスの拠点づくりが必要」として、新たな計画の策定を求めた。区長は第2次保健医療福祉計画の地域見守りネットワーク、アドバイザー派遣などきめ細かい対応を強調した。
 
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