昨年1月25日、95歳の大往生を遂げた三田政吉氏の「一周忌の会」が、12月26日、ホテルオークラ東京の平安の間で、1,000名の列席者のもと盛儀に執り行なわれた。会場には生前、元気なころの三田氏や夫人同伴で海外で撮った写真が掲げられ、なつかしむ人たちで人だかりが出来ていた。
長男で明治座社長の三田芳裕氏は「明治生れの男の気概と優しさを実感しています。人は棺をおおって一生を終えると申しますが、亡くなって時が立つほどに重さを感じております。父の教えを守っていきます、皆さまのご協力のほどを」と挨拶した。
奥野元文部大臣は、飲食業を文化に高めるため国に働きかけ実現した貢献と努力、忍耐を語るとともに、「道義の国日本を再認識することが今求められているが、今日の状況を見るためいま少し生きていてほしかった」と惜念の情をこめた。
三田政吉氏は明治43年12月日本橋生まれ。慶応義塾商工部卒。濱田家当主。明治座を3度にわたり再興した。東京日本料理業組合の組合長、全国料理業組合同盟会の理事長、東京都食品衛生協会の会長、東京食品信用組合の理事長を歴任。各種団体協議会の代表として自民党に貢献。マイタウン構想懇談会のコミュニティー部会長として東京都の重責も担った。昭和54年、勲二等瑞宝章に輝く。平成11年、名誉都民・名誉区民に。 |