今年4月は4年に一度の地方統一選手。投票日は4月29日(日)を予定している。中央区の区長選は、すでに11月定例区議会で矢田区長が6期目に名のりをあげている。10万人口を達成して行政課題も山積しているので、首長の多選そのものに批判はあるものの、こと中央区については6期目挑戦に批判は少ない。前回の区議選は現職で引退する議員も多く、世代交代と重なり新人も多く出馬した。その意味では厳しい選挙であったものの、人口が増えた分、投票率は前の選挙よりも10ポイント近く下がった。中央区に新しく住む人たちの多くは高層マンションの快適さ、利便性を優位において、区議選には目もくれないというのか、世論調査でも区政に無関心の傾向がつよい。その一方で小学生は増えているし、乳母車で買いものをする主婦も多く見かける。その一方でリバーシティの賃貸住宅は出入りの激しいことも事実で、このあたり「格差社会」の波をもろにかぶっているのかもしれない。こうした中、新人も名のりをあげており、強い現職の壁に挑戦。結局、新人は新住民に裾野を広げられるかが勝負のしどころ。政党色のつよまるなか、動向が注目されている。
人口10万で投票率は伸び悩み
民主党5人めざす
国の選挙が法制的にも確実に中選挙区から小選挙区の体制に移行した。だから郵政問題で解散・総選挙になっても脱党した人たちが自民党に戻ることは、体制としては当然の動きといえる。
ところが地方議員は、法的な仕組みでは首長もふくめて国会議員のように体制としては保障されているわけではない。政党は2大政党の流れにあるわけで、その点で地方議員の立場がいまひとつ鮮明にならない。
今回の選挙の特色は区内に貼られているポスターでわかるように、民主党が鮮明に名のりをあげていること。中山前代議士と共に民主党を名のるのは、現職では守本、渡部、青木、田村の4氏に勇退する坂戸氏に代って新人で元教師の岡田真理子氏。すでに会派名に中央区民クラブは民主党の名称を入れている。選挙後はこの5人で会派を組み、公明、共産に並ぶとみられる。
8期つとめた大塚氏は勇退して新人の木村氏にバトンタッチ、すでに独自のポスターでPR中。そうなると注目されるのが大塚氏と同じ会派を組んでいる高橋氏の去就。元自民党だけに「戻るのでは」の観測がつよいが、とりあえず今回の選挙は無所属ということになりそうだ。
前回より少ない新人
前回の区議選では新人が11人、元1人が出馬した。2代目の礒野氏がトップ当選して自民は2人、公明・共産も2人の新人を当選させ、無名の新人田村氏が初当選。
これに比べて自民党は大塚氏を継ぐ木村氏をいち早く公認したものの爪生氏については未だ結論が出ていない。公明、共産は同じ顔ぶれだ。
新人では民主党から坂戸氏の後任のほかに無所属ネットワークの小沼和枝氏が出馬し、女性は2人に。他に前回551票を得た勝どきの飯塚氏が再挑戦の意向。さらに月島西仲通りに住む新井勝也氏は早いうちからポスターを貼ってPRしている。他には佃島小学校のPTAが会長が決まらず紛叫が続いているが、そのさ中に区議選に挑戦するのでは、という噂もある。
投票率50%割る
中央区は人口が急増して4月には10万人を達成した。ところが区議選の投票率は4年前は49.85%で50%を切ってしまった。その前の投票率が58.0%もあったのに比べると大幅ダウン。
結局、新区民は区議選には無関心ということで、当然、選挙は長く住んでいる人たちで行われていることが数字の上でも明白になった。しかも長く住んでいる住民は永遠でないから投票率は低下していくのは当然。
人口が急に増えたために行政の対応が後手に回っている事例も多いが、やはりマンションに向かって呼びかけるだけではセキュリティの高い場所まで届かない。後援会の会報ひとつ受け入れない実情だが、その一方で町のイベントには乳母車を押す若い主婦を多く見かけるのも実情。区も議会もこの状態に焦りを感じているのだろうが、これを抜本的に変えていこうとしたら、区の組織を大胆に変えるしか手だてはない。つまり区職員が常時、町に出る新しいシステムにすることだが、こういう議論はあまり展開されない。もし区の職員が常時、町に出るようになると「区議さんの仕事がなくなる」という声も聞かれる。
政調会費の行方は
これから選挙という時に、マスコミは一斉に区議の政調会費と首長の改選問題にとびついた。政務調査会費とは、議員が活動をしていく上で必要な活動を支えるために月々の報酬とは別に支払われている区民の税金のこと。法的に認められているものだが、領収書の提出を義務づけてない区も多い。中央区もそうで、このあたりの説明責任を明確にしないと、有権者はマスコミに耳を傾けつづける風潮は続くであろうと思われる。税金にまつわることだけに現職にはつらい話題である。 |