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■ 12月11日発行  このページの先頭へ
旧大伝馬町・宝田恵比寿神社
遷移400周年で祝賀会
  家康による江戸城拡張の移転で起立した大伝馬町が今年で400周年にあたる。町の鎮守社、べったら市で知られる宝田恵比寿神社とあわせて記念祝賀会が、日本橋一之部・二之部連合町会が発起人となり、11月25日、ホテルギンモンドで開催された。
  開会の辞で、宝田神社「諫鼓会」の濱田捷利会長は、400周年を機に未来にはばたく機会にしたいと語った。主催者を代表して日本橋一之部の湧井会長は、旧宝田村と宝田神社が移って大伝馬町となり、江戸商人の拠点になった経過を説明した。
  来賓を代表して矢田区長、立石都議、深谷代議士から祝辞が寄せられ、この催しを企画した人たちの情熱と江戸文化を守り、さらに将来につなげていこうとしている意気込みを高く評価する挨拶が相次いだ。
  記念講演は江戸東京博物館の館長をつとめる竹内誠氏が「旧大伝馬町の400年」を語った。古文書を以って由来を説明するとともに、江戸の人たちが築いた文化がいかにすぐれていたかを説き、その江戸の心を引き継いでいく重要さを強調した。また皇太子御夫妻を浅草、入谷に案内したエピソードを紹介、「殿下がお望みであれば大伝馬町をご案内します」と結んだ。
  蛎殻町に居住して久しい立川ぜん馬師匠が落語で江戸の借金とりたて風景を語り、妻のさこみちよさんが三味線で江戸小唱と都々逸をしっとりと聞かせ評判だった。
  閉会の辞でこの企画の火付け役でもある大伝馬一之部町会の石倉和之会長が広重の絵を復刻した経過を説明した。

記念に広重の名画
長谷川家の好意で

  旧大伝馬町遷移発足400年の祝賀会に列席した人たちに歌川広重の「東都大伝馬街繁栄之図」が贈られた。現在の大伝馬町本町通りを西に向かって見た所で、繁栄した太物(木綿)問屋が軒をつらねている。主催者は次のように説明している。
  この絵は、近年の復刻画がなく、新たに原画により複製しなければならなかったオリジナル品であります。原画は長谷川家(マルサン長谷川)のご好意により、伊勢松坂のご本家に保存されていたものを拝借させて頂きました。使用されている和紙は、浮世絵版画向け最高級の越前奉書で、親子2代の人間国宝、9代岩野市兵衛氏が漉かれた作品であります。西野商会のご好意に基づくものであります。原画は2枚続きの大きなものでありますが、高度な最新複製技術を駆使して色合いを忠実に再現すると共に縮少致しました。原画として比較して遜色のないものであることは、紙の裏面ににじみ出た色を見て頂ければ判ります。
 
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