区議会の第4回定例会が22日に開会された。24日の一般質問に登壇した自民党の矢吹和重議員が、矢田区長の6選出馬について言及。人口回復を成し遂げた実績を高く評価するとともに、新たな行政課題が生じているとして、6選目への意志をただした。矢田区長は、念願の人口10万をめざしての区議会、区民の理解、協力によって目的を達することが出来た喜びを率直に述べ、感謝の意を表わした。しかし「すべてが万全かというとそうではない」として、新たな行政課題について明らかにした。またオリンピック開催地の決定で区内に2つの主要施設が計画され、新たなまちづくりが問われているとも指摘。これらに対処しつつ「未来に花開く種をまいておくことが私たちの使命」として6期目の意欲を次のように明らかにした。23区で6期目に挑むのは他に大田区の西野区長がいる。
「光り輝く中央区」への飛躍を
昭和63年4月、中央区長に就任してはや19年7カ月、この間、着実に成果を上げることができましたのも、区議会ならびに区民の皆さまの絶大なるご支援のたまものであり、心から感謝・御礼申し上げます。
とりわけ長年の懸案でありました「定住人口10万」の政策目標が本年4月4日に達成され、人口は現在も引き続き力強く上昇しております。特に30歳代を中心とした若年世帯の転入が多く、まちには子どもの声があふれ、にぎわいと活気がみなぎってきたことは大変喜ばしい限りです。
これは、昭和63年1月1日に「定住人口回復対策本部」を設置して以来、「都心に人が住めるようにしよう」を合い言葉に、合い言葉に、区立住宅の建設やコミュニティファンドなど人口回復と居住継続に向けた取り組みはもとより、公園・道路・水辺の整備、高齢者や障害者施設をはじめとした福祉の充実、教育環境の向上など、総合的な施策が実を結んだものであると思います。あらためて、区議会をはじめ区民の皆さまのご理解・ご協力に感謝申し上げます。
しかし、すべてが万全かというとそうではありません。ご指摘のように、子育て支援や教育、介護をはじめとする高齢者対策、地域特性を踏まえた防災、中小企業の活性化などに加えて、日本橋上空の高速道路の移設や築地・銀座、東京駅前、月島・晴海地域のまちづくりなど、21世紀中央区の骨格を築くべく的確に対処すべき課題も多々あります。折しも8月30日には、2016年に開催される第31回オリンピック競技大会の国内立候補都市が東京に決定し、主要施設であるメーンスタジアムやメディアセンターなどが中央区内に計画されており、中・長期的視野に立ったまちづくりが問われています。
また、特別区をめぐる状況は、本年2月の道州制の答申や平成12年に引き続く第2の地方分権の動き、財政問題をはじめとした都区のあり方など大きく動いております。
このように区政を取り巻く環境が変化する中で、定住人口10万を礎に、現下の諸課題に的確に対処するとともに、未来に花開く種をまいておくことが、いまを生きる私たちの使命であります。いまこそ将来をしっかり見据え、このたびの政策調査会の提言も踏まえて、首都東京の核として反映してきた歴史と伝統に培われたわがまち中央区の一層の発展への熱い思いを胸に、心を込めて取り組んでまいりたいと存じます。
来年4月の中央区長選挙に当たり、私は思いも新たに引き続き区政を担当し、区民お一人おひとりが、かけがえのない人生をいきいきと安心して暮らし住み続けられる、気品と風格、知性あふれる日本一、世界一のまち「光り輝く中央区」への大いなる飛躍に向け、もてる力のすべてを注ぐ決意であります。
|