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■ 9月18日発行  このページの先頭へ
日本橋高校の松蔭像
悲しきエピソード

 箱崎の日本橋高校は平成21年に閉校して向島に移転することが決まっている。この日本橋高校の校舎に、吉田松陰の座像が建立されているが、昭和13年に盛大な除幕式が行われた由緒あるもの。町会の若手が刊行している「はこざき新聞」37号で次のように紹介している。
  昭和12年の末、尋常6年生として在学していた岩井光子という生徒が亡くなった。光子さんは2年生の頃から病気のために休みがちであったが、成績は優秀で、特に授業で担任の先生から教わった吉田松陰の生き方に深く心を動かされた。
  卒業を3カ月後にひかえて亡くなる際に、自分の貯金を示しながら、学校に松蔭先生の銅像を建ててくれるように両親に遺言した。両親は貧しいながら苦労してこの遺言を実現し、昭和13年3月22日盛大な除幕式が行われた。制作者は竹山蘭山で、この話を聞いて感激した当時の海軍大将高橋三吉が「松陰先生」の文字を書いた。当時、この物語は教育美談として伝えられ、東京日々新聞が表彰を行い、時の文部大臣、東京市教育局視学課長等が参列した。
  昭和14年9月、蛍雪書院より「愛国少女光子さんの遺言で出来た吉田松陰銅像の話」という小冊子が発行され、徳富蘇峰が題字を寄せている。

 
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