東京都は6月28日の区議会と区理事者による「全員協議会」で、環状2号線の高架方式(勝どき)を説明、その後7月4日から3日間にわたり「まちづくり協議会」で地域住民に計画を説明した。この経過をふまえ、月島地域の四つの連合町会長の連名による「環状2号線の都市計画変更に関する要望書」を、8月16日、石原都知事あてに提出。同趣旨の要望書を矢田区長にも提出した。要望書は都の説明について「長期間関りのあった住民からすれば肩すかしをくらったようで、行政によるアカウンタビリティ(説明責任)の姿勢がどこにあるのか」と疑問を提示。さらに計画案は「地域のビジョンをふまえたものとは到底言えない」「地域住民の生活環境を脅かすことになる」と批判。また都の「ご都合主義」「コスト重視」の姿勢が「住民との対立を深め、溝を大きくしてしまう危険性をはらんでいる」とも警告、計画案は「到底受け入れられるものではない」として、具体的な要望を添えている。その主な内容は次のとおり。要望書の提出にあたり紹介議員は立石議員がつとめた。
総合的ビジョンを
晴海のオリンピックスタジアムや環状2号線の整備にあたって、東京都には明確なビジョンが欠如しており、場当たり的とも言えるまちづくりの進め方を早急に改め、地域の将来像をふまえ、次の点に留意したまちづくりの具体的な対応策を推進する必要がある。
地上化(環2)に伴う生活環境への悪影響を防ぐため、勝どき5丁目地区再開発の促進▽今後の幹線道路等の整備に伴い、大幅な土地利用転換が予想される豊海地区まちづくりの方向性▽慢性的な混雑状況にある都営大江戸線勝どき駅の改善▽晴海運動場の代替施設▽臨港消防署の移転先
市場跡地の整合性
築地市場跡地2.3ヘクタールの土地活用について、中央区のとりまとめた「築地市場地区の活気とにぎわいビジョン」と東京都が計画するメディアセンター構想との整合性を図ること。とりわけ、東京都は、鮮魚マーケット等賑わい施設の実現に向けて、都有地の活用を図ること。
交通環境の改善
晴海地区における地下鉄等の大量輸送機関の整備▽人と環境にやさしいLRTの導入▽新月島川を横断する複数の人道橋整備▽黎明橋公園通りと環状2号線が交差する動線の確保▽朝潮運河橋梁の整備にともなう、地域内道路やテラス護岸など歩行者ネットワークの確保
▽環状2号線が新橋まで開通しない段階では豊洲大橋を開通しないこと▽東京都による新島橋の架替整備▽「ゆりかもめ」の豊洲―勝どき区間の延伸計画の見通しの明確化、ならびに都市計画道路「補助第3一4号線」の整備の明確化
地域活性化の推進
隅田川橋梁の整備にともない、景観や観光振興面にも配慮した二層構造方式など快適空間を強調した、さらには、「後悔橋または反省橋」にしないため50年先、100年先の人々にも感動を与える歴史的なデザインの採用▽環状2号線の高架下空間の有効活用
▽貴重な歴史構造物である「勝どき橋」の開橋▽朝潮運河ルネッサンス計画にあるように水辺を活かした街づくり(問い合せ=月島をよくする会事務局3531・0093)
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