姉歯元建築士による偽装物件(佃ゼファー月島)について中央区は2度にわたり、その事実を見過ごしていたことで、7月14日、区長及び担当助役の給料の減額を行うと発表した。一方、耐震強度調査による事務処理の状況や事実関係について引き続き調査を進めた結果、職員の職務遂行上の義務違反が明らかになったとして、11日付で次の処分をした。
〈都市整備部長(55歳)=減給10分の1、1月〉部長として区の建築行政における実務を総括する立場にあった。構造安全性の検証結果の公表など、重要な場面において必要な指示を怠った。耐震強度偽装事故の事務処理上の責任者として、十分な管理監督責任を果たさなかった結果、区政に対する区民の信頼を大きく損う事態を招いた。
〈営繕課長(52歳)平成18年3月31日まで建築課長=減給10分の1、2月〉建築主事として建築確認を行う立場にあった。建築主との折衝を担当係長に委ねたまま、必要な指示を行うことなく放置していた。また、建築主事として建物の構造安全性に関する書類を確認することなく、担当係長からの口頭報告を受けただけで安全性を誤信し、上司に誤った報告を行った。その後も担当課長として必要な確認を怠ったため、国土交通省への報告や、区の公表内容を誤らせる結果となった。
〈営繕主査(54歳)平成18年3月31日まで構造係長=減給10分の1、1月〉建築確認の際、建築物の構造関係を審査する立場にあった。建築主との対応を独断的に行うとともに、耐震強度に関する建築主に再計算の実施の有無について必要な確認を怠り、誤信した内容を上司に報告した。これらの結果、国土交通省への報告や、区が行った公表を誤った内容に導くことになった。
今後の区の対応
佃3丁目の「ゼファー月島」については、すでに同マンションの管理組合と建築主とで独自の耐震調査を実施中で、このことも含めて中央区は今後の区の対応について次のように説明している。
「今回の事故調査において明らかになった、専門的領域における職員の独断的行動とそれを許した組織運営、その間の事務処理の不備などについては、区長を長とする綱紀点検調査委員会で検証し、再発防止に向け、全庁を挙げて取り組んでまいります」
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