中央区観光協会(福原義春会長)がこのほど「観光振興戦略」をまとめ、発表した。共通コンセプトを、「ほんもの」を「楽しむ」まち、と設定し、区の魅力を日本の内外に発信し、中央区の一層の賑わいと、世界の観光都市としての地位を高めていこうというもの。戦略としては、区内各地域の「ほんもの」の商品やサービスの一斉提供プロジェクト、「ほんもの」を提供するセンター機能の整備等、多くのプロジェクトをプランとしてまとめている。中央区は4月に念願の人口10万を達成し、矢田区長は次なる区政の目標を「100万人都市中央区」と打ちだした。江戸の昔から育くまれてきた歴史と伝統を「観光」という視点から見直し、発掘して活用していくことで新たな賑わいを創出していくという観光協会の新しい戦略は「100万人都市」実現への礎(いしずえ)になるものとして期待される。今回の戦略で打ち出されている新しい事業は次のとおり。
築地場外で朝市開催を
多様なガイドを
中央区の「ほんもの」の素晴らしさにふれるプログラムを展開する。
(1)はじめて物語マップ 区内に存在する資源を生かして「ほんもの」を楽しむマップを作成し、これを契機に新たなニーズを把握して次の展開に生かす。マップづくりは、住民参加と楽しむを基本にしてコミュニケーションの活性化にも努める。
(2)観光ボランティアガイド 老舗など「ほんもの」のガイドを募り、登録制にして、セミナーなどでガイドのレベル向上を図る。
(3)究極ガイド 特別メニューに応えられるガイドによる話題性により、体験を交えたテーマ型のまち歩きなどを提供。予約できる総合窓口も設置し利便性を向上させる。
楽しみにプラスを
中央区を楽しむ時間帯に、「+1=プラスワン」を取り入れるプロジェクトを提案。
(1)築地場外市場で朝市 日本最大の鮮魚市場・築地市場に隣接する場外市場は観光客も入ることができることからさらに多くの人に市場の魅力を知ってもらうため、宿泊して早朝の築地市場を満喫できるイベントを企画。
(2)都心の夜を楽しむ 夜の風景を楽しむスポットの充実▽手軽に夜を楽しむサービス(夜遅くまで利用できるカフェ、ショップ等)▽夜の散策ルートの提案(カフェ、ギャラリー、ショップを結ぶルート)▽宿泊施設の空き情報検索(夜を満喫して宿泊も楽しめるよう空き室を容易に探せるサービス提供)▽ナイトスポット10景の選定
回遊手段も多様に
(1)屋形船を活用した水上バスの運行 屋形船の機動性に着目して水辺エリアの回遊性を促進。災害時には帰宅困難者の支援にも活用。
(2)シティバイクの提供 区内に複数のサイクルプールを設け、どこでも利用、どこのプールでも返却できるシステムで回遊性を高める。
(3)デパートとトリトン それぞれの企画力と特色を活かし、同一テーマや共同企画で各デパート間および晴海トリトンへの回遊効果を狙う。
地域資源の活用を
(1)穴場・裏側ツアー たとえば歌舞伎座の裏舞台、築地市場のセリ、廉価な昼の料亭など体験できない場所を選定してツアーを開発展開する。
(2)水辺空間の活用 手軽に利用できるリバーサイド・オープンカフェや水上レストランを開設。水辺からの景観を楽しむと同時に散策のポイントともなり、集客効果の高い観光資源となる。
(3)新中央区10景の選定 区民の投票で選定した中央区8景から20年以上が経過しており、新たな景観・観光スポットも誕生。区政10周年を迎える平成19年をメドに、新中央区10景を選定する。
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