中央区の人口が31年ぶりの10万人達成を実現し、その快挙は内外の注目を集めている。10万人目の登録した新しい家族に区長から記念の区民証を贈呈したことは既報のとおり。また7月には名誉区民で聖路加国際病院理事長の日野原重明氏による記念講演を予定している。一方、区議会の11日に開かれた企画総務委員会(鈴木久雄委員長)では各会派の代表が人口10万人達成を歓迎する見解を明らかにした。さらに自民党の礒野忠委員は、人口10万人を達成して「次なる目標は何か」と、今後の区政の展望について質問。これに矢田区長は、「次の目標は100万都市」と明言して注目された。人口10万達成したのちの目標を明示したのはこれが初めて。区長は「人口10万を礎にして中央区の魅力を最大限引き出して、昼間人口をさらに増大させることで100万都市を目指していきたい」と、今後の方向性を示すとともに今後の区政運営への意欲を示した。
昼間人口増加への施策を展開
矢田区長は、自民党の礒野委員の質問にまず人口10万達成は、区のかかげた目標に区と議会とそして区民が一体になって実現した成果であるとした上で、しかし子育て、介護など課題も多く、またまちづくりでは築地市場移転にともなう跡地の活用、銀座の開発、名橋日本橋を跨ぐ高速道路の撤去問題など解決すべき課題が多いので、これらに正面から取り組んでいくとの決意を示した。
さらに「にぎわいこそが町の生命線」との自論にもとづいて「昼間人口を合わせて100万都市中央区を目指したい」と、次の目標を明示した。国勢調査の結果を示して70万から65万人に減ってきている事実をもって「中央区が江戸発祥のときから日本の中心として築いてきた無限の可能性をひき出して、次の目標に向かって遭進していきたい」と決意を明らかにした。
昼間人口6位
中央区の昼間人口は、国勢調査によると平成2年の74万8千人が最高で、7年には70万に減り、さらに12年には64万8千人に減っている。昨年の国勢調査の結果は今年秋にも発表となるが多くの見方は横ばいで一致。
平成7年調査の70万人は23区では千代田95万、港85万、新宿80万に次いで4位だった。ところが12年になると大田区65万に次ぐ6位に転落している。
昼間人口が減少した主たる原因は副都心の成長とバブル崩壊による企業倒産や流通の激変などが指摘される。また規則緩和によって倒産した企業の跡地がマンションに転じたことの影響も大きい。
さらに六本木や大手町などで再開発が促進して新たな賑わいを創出したのに対して、中央区での大規模開発は晴海1丁目と日本橋の一部にとどまり、東京駅前などでは停滞したままになっている。
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