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■ 3月27日発行  このページの先頭へ
第21回『中央区能に親しむ会』
「恋重荷」を楽しむ
5月14日、国立能楽堂で

 日本固有の伝統芸能で最古といわれ、芸居芸能の源になった「能」を毎年、楽しむことができる「中央区能に親しむ会」は、今年で21回目の公演を例年より早めに、5月14日の日曜、午後1時から国立能楽堂で開催する。
 「能に親しむ会」はPTAの関係者が集まり、古典芸能を多くの区民、子供たちに継承したいの思いで発足。会長は立石都議がつとめた。当初は中央会館で開催し、多くの親子づれで人気をよんだ。さらに会場を晴海埠頭に移し、薪能として注目を集めた。
 昨年は20回の節目を迎えて、多数の参加者でにぎわった。
 当初は中央会館で開催したものの舞台に限界があるところから会場は本格的な国立能楽堂に移して、かえって人気をよぶことに。観世流の中村裕氏が骨身惜しまず協力することで継承している。
 入場料は指定席7,000円、自由席5,000円、高大学生2,000円小中1,000円。問合せ=TEL3590-3001、3531-0976。チケットぴあ0570-02-9988、9999。
 演日は次のとおり。
 <能 熊野(ゆや)
 平宗盛に任える能野は愁いに沈んでいた。故郷の母から重い病いとの手が届いた。宗盛に帰郷を願いでるが許されず、清水寺の花見の供を命じられる。熊野は心ならずも、酒宴の席で舞を舞うが、村雨が桜の花の散らすのを見て、思わず母を案じる歌を詠む。宗盛も心をうたれ熊野の帰郷を許す。
 <狂言 佐渡狐
 旅の道連れになった佐渡と越後の百姓が、佐渡に狐がいるかいないかで言い争いになる。刀を賭けて2人は役人に裁定を頼むが、賄路を贈った佐渡の百姓の勝ちと決まる。納得のいかない越後の百姓は…。
 <能 恋重荷
 宮廷の庭師の老人が女御=天皇の紀に恋をした。かなわぬ恋にやつれた老臣に家臣が告げるる美しい布に包まれた荷を持って庭を廻れば、女御姿を見せるという。老人は、力の限りを尽くすが、荷は重く持ち上がらない。絶望した老人は憤死し、亡霊となって女御の前に現れ、怨みを述べるのだった…。

 
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